04年1月16日(消印)、部落解放同盟東京都連合会(以下都連)あてに差別行為の「再開宣言」を送ってきた「連続・大量差別ハガキ事件」の犯人が、宣言通り個人宅へも犯行を再開しました。(「再開宣言」受け取りは1月19日)
「浦本誉至史、お前が死ぬように毎日呪ってやる」
1月21日、浦本誉至史さん宅に上の写真のハガキが郵送されてきました。消印は2004年1月20日渋谷局でした。
ハガキの内容は、浦本さんが熊本のハンセン病療養施設・菊池恵楓園(きくちけいふうえん)への差別手紙を出したとして(実際にはこの犯人が出した)、「お前は菊地(ママ)恵楓園にずい分ひどい手紙出したな。お前が書いたのはわかっているんだぞ。バカ、えた死ね」という文言からスタートします。次に、浦本さんが2003年12月20日の東京新聞朝刊に『江戸・東京の被差別部落の歴史』(明石書店)の著者として紹介されたことについて「お前の顔はじめて見たぞ(中略)悪党ずらした化け物だ。お前の顔は。」などと罵詈雑言を浴びせ、「これからお前のわら人形に五寸くぎで(中略)お前が死ぬように毎日うち続けよう。これなら直接手を下すわけではないし(そのつもりも全くないし)法律に触れることもないね。死ね浦本」と結んでいます。
犯人は警察の捜査の進展と、世論に恐怖している
同じ1月21日、都連事務所にも犯人からの「再開宣言」後第2通目の差別手紙が届きました。内容的には「再開宣言」の繰り返しですが、都連同盟員数人の実名をあげ、「死ぬように呪ってやる」と、個人を対象とする犯行の再開を臭わせていました。
犯人は、「再開宣言」以降の手紙やハガキで繰り返し「法律に触れないように差別してやる」「差別するだけなら違法ではない」「死ねと呪うだけなら違法ではない」と強調しています。これは犯人が、捜査の進展や世論の動向にびくびくしていること、なんとか自分に「犯意がない」ということを印象づけようとしていること、をあらわしていると思われます。
[資料]浦本さん宛のハガキ(実物大)