
都連は2025年8月27日に東京法務局に要望書を提出し交渉を行った。東京法務局からは人権擁護部横山第一課長、野崎第二課長をはじめ4人、都連からは飯塚委員長をはじめ7人が参加した。
まず、東京法務局から6項目からなる要望書に対する回答が行われた。差別撤廃に向けた基本方針については「部落差別、同和問題の実態を踏まえて、啓発、相談及び調査救済、特に識別情報の摘示事案の各方面から取り組んでまいりたいと考えています」と回答した。またインターネット上で行なわれる人権侵犯事件件数が増加傾向にあると述べ、具体的に東京法務局の2024年の「人権侵犯事件」は事件の取り扱い総数65件、処理件数61件、処理内訳では説示が37件で昨年を上まわっている実態を明らかにした。
次にインターネット上の差別事件の根絶についての回答では「インターネット上の人権侵害情報であれば、サイト運営者等の事業者に削除要請を行っています。違法性の判断にあたっては名誉毀損や私生活の平穏などの人格的利益の侵害の有無も考慮してきました」と回答した。
6項目すべての回答後に質疑応答を行った。都連は東京法務局が7月10日付けの文面を示現舎・宮部に送付し、「二度と同様の行為をおこなうことのないよう」説示を行ったことなどに対する質問を行なった。
説示の中で「示現舎が管理するウェブサイトにおいて、特定の地域が同和地区である、又はあったと指摘する曲輪クエストなどと題する記事を掲載した」と事実認定した上で、「当該記事で指摘されている情報は、特定地域が同和地区である、又はあったとするものであるところ、このような情報を摘示することは個人のプライバシー等を侵害する恐れが高いものであって、人権擁護上許容し得ないものである」と厳しく言い渡している。都連は説示を評価する一方で「部落探訪」等の削除の対策を法務局に改めて強く迫った。
また、包括的差別禁止法の制定や国内人権機関の設置など法整備を行うことを強く求めた。