部落差別の解消に向けて東京都と協議

同和問題に関する東京都との連絡協議会


同和問題に関する東京都との連絡協議会

 同和問題に関する東京都との連絡協議会が、2025年11月19日、都庁会議室で開催された。東京都からは豊田総務局理事をはじめ9部局が、都連は飯塚委員長をはじめ執行委員11人が出席し、2026年度人権関係事業予算の考え方について協議した。

 はじめに、2026年度の予算編成の基本方針について東京都は、差別の現実を踏まえ、今後も引き続き「基本方針」「人権施策推進指針」「部落差別解消推進法」「東京都人権尊重条例」に基づき、同和問題解決に向けた取り組みを推進していくと答弁した。

 東京都の「人権意識調査」において、この10年で人権意識が悪化し、部落問題の認知度が特に若年層で低下していることを踏まえ、東京都はインターネットを活用した取り組みを図っていく考えを示した。

 都営住宅内での悪質な差別落書きについては、住宅政策本部および人権部から、決して許されるものではなく再発防止に取り組んでいくことが表明された。

 4月の「情プラ法」施行について、周知、被害者相談、削除申請支援を要請した。都はホームページでの周知の他、LINEを活用した相談窓口開設や相談日の拡大で対応していると答弁した。

 東京都人権啓発センターについては、人権プラザ移転後も同和問題を重要な人権問題の一つと位置づけ、詳しく紹介するコーナーを設けている。若者に届くようインターネットによる情報発信を行い、相談事業にSNSを取り入れるなどの工夫をしていると答弁した。都連からは当事者の要望を受けてさらに事業を充実させるよう求めた。

 労働対策では、公正採用選考と就職差別撤廃の確立について要求し、産業労働局からは、「AI面接」など採用選考方法が多様化する中でも、公正な採用選考が損なわれてはならないとする答弁があった。また、厚生労働省が行う大学生対象の「公正採用選考調査」に協力していくことも表明された。

 同和教育・人権教育推進について、各校の管理職および人権教育推進担当教員への研修の実施状況を質問した。教育庁は、被差別当事者を講師とした研修の実施、国立ハンセン病資料館やお肉の情報館へのフィールドワークの実施などで研修の充実を図っていると答弁した。「人権教育プログラム」を毎年度改定して全教員に配布し、人権課題についての指導を正しく実践できるよう支援していると回答した。被差別当事者の視点を強調した教育の実践と、人権教育プログラムの充実を要望した。

 公正採用選考について、私立高校からの通報事例がほとんどなく実効性が危ぶまれていることについて、生活文化局は、実地指導で学校に出向く機会に「公正採用選考リーフレット」を用いて「通報システム」の周知徹底を行うこと、また、各学校が生徒から就職試験等の内容の聞き取りを行い、違反の場合に報告するよう働きを強めると答弁した。

 関東女性集会に加えて全国女性集会にも、研修として都職員に参加を要請した。人権部は引き続き人権団体等が開催する集会へ参加すると答弁した。

 最後に都連から、私立高校は公立よりも生徒数が多いので、私立への人権教育を本格的に検討してほしいと要望した。