包括的人権の法制度確立を   部落解放・人権政策確立要求中央集会


人権政策確立中央集会2025

 2025年度部落解放・人権政策確立要求第1次中央集会が2025年5月22日、日本教育会館で開催され、全国から573人が参加した。

 西島藤彦・中央実行委員会副会長(中央執行委員長)は、開会挨拶で、4月から「情プラ法」が施行されたが取りまとめに時間がかかっている。我が国においては、人権委員会そのものすらできていない。国際的には、周回遅れ以上の人権状況だ。「部落探訪」削除裁判を全国3カ所で闘っているが、裁判をしなくても速やかに削除できる国の法整備が必要だ。かなり遅れている日本の人権状況の中で包括的反差別法など人権の法制度確立に向けた取り組みが必要だと訴えた。

 赤井隆史・中央実行委員会事務局長(中央書記長)からは、基調提案がなされ、「情プラ法」施行について、4月20日にメタ、X(旧twitter)、LINE(ライン)ヤフー、グーグル(Google)、TikTok(ティックトック)の5社が大手プラットフォーマーとして「情プラ法」の対象に位置付けられた。同和地区をネット上に晒すという行為は、同和地区の人々に対しての私生活の平穏を脅かす行為として総務省の削除ガイドラインに盛り込まれた。総務省が示したガイドラインをそのままこの大手プラットフォーマー5社は引き継いでくれるものと期待したい。また、削除要請にあたっては、個人のユーザーも当該の都道府県、区市町村も一緒になって削除要請することが望ましい。インターネット上の識別情報や人権侵害情報の削除が進むように、自治体における条例の制定や改正に積極的に取り組んでいく必要があると提起した。

 また、包括的人権の法制度確立に向けては、ビジネスと人権の作業部会の報告書が国連の人権理事会まで上がって、そして国連の人権理事会では、日本という先進国でありながら人権救済の機関を持っていないことはいかがなものかと指摘を受けているが、未だこの国会ではその議論が全くされていない。各地での人権条例制定運動も重要だと訴えた。