部落解放同盟東京都連合会

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5 脅迫状の用紙に対する原決定の判断に誤りがあるとの主張について

 所論は、要するに、原決定は、関根報告書は本件脅迫状用紙と請求人方で発見押収された用紙との間には綴り目の数が相違しているという事実を明らかにしたにとどまっているから、同報告書は確定判決審の関係証拠と併せ見ても、自由の信用性を揺るがし、確定判決の事実認定に疑いを生じさせるものではないとしているが、ここでも原決定は、確定判決以後の諸証拠を加えて総合評価することなく、当該証拠を個別評価して証拠価値をすべて消極に判断するという誤りを犯している、というのである。
 しかし、原決定の指摘するとおり、関根政一作成の昭和38年6月21日付け大学ノート綴り目に関する捜査報告書(関根報告書)は、本件脅迫状に用いられたノート片の綴り目は13箇所あるが、請求人方の捜索で発見されたノート7冊のうち1冊の用紙の綴り目は11箇所であり、両者の綴り目の数は相違しているという事実を明らかにしているにとどまるのである。したがって、同報告書を確定判決審の関係証拠と併せ考えても、請求人が自宅にあった妹のノートから外した紙片を使って脅迫状を作成した旨の自白の信用性がこれによって揺らぎ、ひいては、本件脅迫状が請求人によって作成されたとの確定判決の認定に疑いが生ずるものとはいい難い。

 脅迫状に関する論旨はすべて採用できない。

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