部落解放同盟東京都連合会

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(7)江嶋ほか意見書について

 所論は、要するに、江嶋ほか意見書は、学校での教育の状況、社会に出てからの仕事関係など、請求人の生活史における読み書き体験についての全般的調査に基づいて、事件当時請求人が脅迫状を書くことができなかったことを解明しているのであって、これを排斥した原決定は、同意見書の指摘を正しく評価・判断したものとはいえない、というのである。
 しかし、原決定が指摘するように、本件脅迫状作成者の国語能力と請求人のそれとの間に格差があると結論するのは、必ずしも当を得たものといい難い。すなわち、請求人が義務教育として十分な国語教育を受けることができず、社会生活上読み書きの体験も乏しかったことは明らかであるが、関係証拠によると、請求人は、仕事上又は社会生活上の必要から、あるいは知的興味、関心から、不十分ながらも漢字の読み書きなどを独習し、ある程度の国語知識を集積していたことがうかがわれるのであって、同意見書の依拠する調査結果から、直ちに、請求人の本件当時の国語能力が同意見書がいう程度のものでしかなかったと結論づけることには疑問があるというべきである。その旨の原決定判断に、誤りはない。

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