《報告》
狭山事件、最高裁に特別抗告
―棄却決定はあまりにも不当―
2002年1月29日午後、石川一雄さんと狭山再審弁護団(山上益朗主任弁護人)は、「1月23日に出された東京高裁の棄却決定は到底納得できない」として、最高裁に特別抗告をおこないました。また、これを受けて部落解放同盟中央本部などは、同日午後3時から千代田区内で「異議申し立て棄却に抗議し、特別抗告審での勝利をめざす」緊急集会をひらきました。集会には緊急事態であったにもかかわらず、全国から約700人のなかまがつめかけ、今回の棄却決定の不当性に怒りの声をあげました。
集会で山上主任弁護人ら弁護団のメンバーは、「今回の決定は、長文ではあるが全く内容のないものである。斎藤鑑定をはじめとする科学的・客観的な新証拠をまともに検討もせず、先の再審棄却決定(99年の高木決定)の文言をただ空疎に繰り返すだけ。一体これが裁判の名に値するのか、何のために2年以上の年月を費やしたのか、真実を究明するという裁判所の義務はどうなるのか」。と怒りで声を震わせながら報告しました。また、検察の証拠隠しについて、「どうしてこれが政治問題にならないのか。こんなことを許していていいのか」と訴えました。
皆さんの支援力に最後までがんばる
石川一雄さんと、連れ合いの早智子さんは、「今回の決定を聞いて、怒りと悲しみと、そして無力感にもとらわれた。裁判所は人権の最後の砦ではないのか、なぜ真実から目を背けるのか。私たちはこれまで真実はきっと認められると思ってがんばってきた。本当に残念で、悔しくてならない。でも今日、こんなに沢山の人たちが集まっていただき励ましてくださることに勇気づけられる。沢山の激励のメールもいただいた。本当に感謝します。弁護団も部落解放同盟も、『こんな不当なことに決して負けてはいけない。真実は必ず勝利する。最後まで一緒に闘う』と言ってくれている。だから私たちも、もう一度気力を振り絞って立ち上がりたい。皆さん、真実は一つです。どんなに踏みつけられても、どんなに辛くても、勝利するまでは皆さんの支援を力にがんばります」と決意を述べました。
集会終了後、部落解放同盟関東甲信越地方協議会は、青年たちを中心にJR上野駅前で街頭宣伝をおこない、この集会の雰囲気と狭山への支援を訴えました。また狭山東京実行委員会は、2月6日、狭山事件の異議申し立て棄却を糾弾する東京集会(18:00〜 千代田区公会堂)を開きます。