石川一雄さんの無念をはらすまで闘いぬこう 狭山事件の再審を求める市民集会  


5・23狭山市民集会

 狭山事件の再審を求める市民集会が、5月23日に日比谷野外音楽堂で「石川一雄さん追悼!狭山第4次再審闘争勝利!東京高裁は再審開始を!」をスローガンに開催された。全国から1200人が結集し、再審開始と完全無罪判決を勝ち取り、石川さんの無念をはらすまで闘いぬくことを決意した。

 西島藤彦・部落解放同盟中央委員長の開会あいさつ、各政党あいさつに続き、石川早智子さんがアピールを行ない「裁判長が10人も変わりながら、一度も関係者尋問や証人尋問が行われることはありませんでした。検察が証拠開示を拒み続け、石川の闘い、訴えを踏み躙りました」「再審法の不備により、闘いと願いは断ち切られました」「私は今78歳。なんとしても生き抜いて無罪判決を勝ち取りたい。一雄に今もかかっている見えない手錠を外したい」と支援を訴えた。

 竹下政行・狭山弁護団事務局長が弁護団報告を行い「第4次再審は、第3次と同様に東京高裁第4刑事部の家令和典裁判長が担当する。迅速に審理を進めるよう力強く働きかける」と述べた。また、中山武敏・主任弁護人は、石川さんの手紙を紹介しながら、「第4次再審では狭山事件は部落差別によるえん罪事件であることをなんとしても認めさせたい。石川さんの魂を胸に、早智子さんとともに再審を実現する」と決意を語った。

 集会基調を片岡明幸・中央狭山闘争本部長が提案し、100万人署名を取り組み、11人の鑑定人尋問と裁判所の職権によるインク資料鑑定の実施を東京高裁に迫ること。また、再審法の改正等について提起した。

 連帯アピールを足利事件の菅家利和さん、東住吉事件の青木惠子さん、今市事件の勝又拓哉さんのお母さん、湖東記念病院事件の西山美香さん、袴田巌さんの再審無罪を活かす会の山崎俊樹さんが行った。

 特別報告として、鴨志田祐美・日弁連再審法改正推進室長が発言し、再審法改正の現状について報告するとともに、今こそ国会の力で一刻も早く再審法改正を実現するべきと訴えた。

 市民の会アピールでは、落合恵子さんが「冤罪は国家による最大の人権侵害」と訴え、鎌田慧さんは「石川さんの無念を引き受け闘おう」と呼びかけた。集会アピール採択、赤井隆史・部落解放同盟中央書記長の閉会あいさつを受けデモ行進に移り、石川さんの無実と東京高裁による事実調べを訴えた。

 デモ終了後、狭山東京実行委員会は総括集会を行い、62年間無実を叫びつづける中、3月11日に急逝された石川一雄さんの遺志を引き継ぎ、第4次となる再審請求を申し立てた石川早智子さんを支援し、100万人署名を全力で取り組むことを確認した。

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