「部落探訪」削除裁判新潟訴訟の第1回裁判が2025年3月5日に開かれた。第1回裁判(口頭弁論)は原告団代表と弁護団長の河村健夫弁護士が意見陳述を行った。
原告団代表は1981年に地区で起こった結婚差別事件を機に、子や孫たちの時代には部落差別をなくしたいとの思いで解放運動に立ち上がったこと、自分の結婚差別体験、就職差別に遭って不安定だった地区の仲間たちと相談し、一般廃棄物収集運搬会社を立ち上げてきたことなどを述べた。そして被告が「部落探訪」に地区をさらし、顔と名前、会社の全景とともに誹謗中傷の記事を掲載した今回の事件に対して、絶対に許すことはできないと力強く訴えた。
次に河村健夫弁護士が本訴訟の位置づけについて「まず、何よりも、2024年12月4日の最高裁決定により、被告宮部の敗訴が確定した全国部落調査出版差止訴訟における勝利の地平を受け継ぎ、その後も被差別部落の地名を相変わらず晒し続けている被告宮部らの暴挙をストップさせる裁判です」と述べました。
また、「本件を審理する裁判官には、新潟県内の被差別部落の実情と、厳しい部落差別により心身をまさに引きちぎられるほどの苦しみを味わった被差別部落出身者の心からの叫びを受け止めて欲しいと思います」と裁判官に訴えた。
裁判終了後に弁護士会館で報告集会が行われた。弁護団報告を河村健夫団長、近藤正道副団長など、部落解放同盟中央本部報告を片岡明幸副委員長、原告団報告を原告団の代表が行った。原告団代表は「裁判で陳述しながらくやしさが込み上げてきた」と報告した。質疑応答ではマスコミ関係者の発言が相次いだ。
裁判に結集した部落解放同盟新潟県連、部落解放新潟県共闘会議、「部落探訪」削除裁判新潟訴訟を支援する会、部落解放同盟関東ブロック各都県をはじめ多くの仲間が原告団の「怒りと悔しさ」を共有し、裁判闘争の勝利を誓い合った。