子どもたちが誇りを持てる授業実施を
人尊校に関わる都教委との意見交換会  


 人権尊重教育推進校(以下人尊校)に関わる東京都教育委員会(以下都教委)との意見交換会が、12月12日、東京解放会館において行われた。都教委から3名、都連各支部から7名が参加した。  

 はじめに都教委より関係7区の人尊校における取組について報告があった。多様な取り組みが報告されたが、小学校では、皮革工場や靴工場、お肉の情報館などの見学や、ゲストティーチャーとして従事者の方を招いて話を聞く取り組みがされている。そうした体験的学習を通して地域の産業、技術の素晴らしさに気づくとともに、職業に対する偏見や差別について考える授業実践が報告された。6年生の社会科では「解体新書」の腑分けを取り上げ、差別を受けていた人々のすぐれた技術や知識が医学の発展を支えてきたことに気づかせる授業、中学校の社会科では、解放令や水平社創立を取り上げ、差別をなくすために立ち上がった人々と、今もある差別について考える授業が行われている。他にも障がい者や外国人、ハンセン病回復者など様々な人権課題について学び、差別の不合理さに気づき、差別をなくそうとする態度を育成しているとの報告があった。  

 その後、意見交換を行い、都連各支部からは、「人権教育プログラム」を活用した人権教育の充実と、子どもたちが誇りを持てる授業をしてほしいと訴えた。教員研修、特に管理職研修において現地学習、フィールドワークを取り入れるよう、またすべての学校で人権教育推進担当を校務分掌に位置づけ、組織的に人権教育を推進する体制を確立するよう要望した。各校の取り組みをどう広げていくのかを課題として、今後も連携して取り組んでいくことを確認した。