東京都との連絡協議会開催
「情プラ法」施行を踏まえ、周知・相談・支援対策の確立などを要望  


連絡協議会

 同和問題に関する東京都との連絡協議会が4月28日、都庁会議室で開催された。東京都は豊田総務局理事をはじめ9部局が、都連は飯塚委員長はじめ執行委員13名が出席し、2025年度人権関係事業について協議した。協議の主な内容は以下の通りである。

 まず、2025年度の人権施策の推進にむけた基本方針について都は、現在も様々な差別事象が現実に発生していることを真摯に受け止め、今後もいかなる差別も許されないとの認識のもと、関係機関から情報収集に努め、差別意識の解消に向けて粘り強く人権教育、啓発、研修に取り組んでいくとともに、関係機関と連携して再発防止に努めていくと答弁した。

 「情報流通プラットフォーム対処法」が今年の4月に施行されたことを踏まえ、都内住民に対する周知・相談・支援対策の確立について人権部は、ホームページ「じんけんのとびら」で周知している。今後も引き続き、既存の啓発物等を活用し同法に関する都民への情報発信を実施していくとともに、区市町村に対して同法の内容等について周知していく。東京都人権プラザでの法律相談やLINEを活用した専門窓口を開設していると答弁。都連からは、被害者が泣き寝入りしないよう周知、相談の強化と被害者の知らないところで差別や人権侵害がおこなわれているケースがあり、被害が長期化、拡散化しない対策の確立を強く要望した。

 教育対策では、人権教育推進担当教員の役割や推進体制の周知、指導について、校長、副校長と管理職への人権研修の実施状況について、フィールドワーク等体験的な学習の重要性について質問した。

 都教委は、管理職等を対象とした人権教育研究協議会において、人権教育プログラムに掲載している人権教育推進担当の主な役割の例を活用し、人権教育の推進体制を整備することの大切さ等を周知するとともに、主幹教諭等にも人権課題に関する正しい理解と認識を深められるようにしている。フィールドワーク等については、国立ハンセン病資料館やお肉の情報館で実施している。引き続き、こうしたフィールドワークなどを通して研修の充実を図っていくと回答した。

 私立学校での人権教育推進について生活文化局は、私学の自主性あるいは独自性を踏まえつつ、私立学校における人権教育の推進に資するよう、様々な機会を通じて周知啓発を行っており今後も継続していく。教職員に対して、就職時における不当な質問やその対処など、具体的な事例を示しつつ啓発を行っている。今後も研修の実施主体である私学財団と連携しながらこれを進めていく。会計実地指導の際にも進路担当者等と面会する機会があり、実態把握と意識啓発を行っていると答弁した。

 労働対策では、就職差別解消促進月間の取り組み、インターンシップなどで得られる個人情報について、就職差別に関わるアンケート調査について問うた。

 産業労働局は、毎年6月を就職差別解消促進月間と定め、あらゆる企業や職場から就職差別をなくすことを目指して、東京労働局とも連携して、広く企業や都民に対し普及啓発活動を集中的に展開している。採用選考の方法が多様化する中にあっても公正な採用選考が損なわれことがあってはならない。インターンシップは企業内の様々な部署で受け入れが実施される可能性あり、人事部門以外の部署においても十分な理解と適切な対応ができる体制整備が必要だと考えていると答弁した。