生徒用冊子の充実を
第1回進路保障会議

「本籍・出身地」の事例が4件
公正採用選考の確立と差別につながる採用選考の根絶を

第1回進路保障会議 2008年度第1回「進路保障会議」が7月3日(木)午後2時〜4時、産業貿易センター(台東区民館)で開催された。
 会議には都教委、産業労働局、生活文化局、東京労働局、都同教、部落解放同盟都連が出席した。
 まず、各局から取り組みの報告がおこなわれた。都教委からは、2007年度「都立高等学校における就職希望者生徒の進路に関する実態調査の結果」についての報告があった。調査項目の(1)早期選考、(2)面接における就職差別につながる質問、(3)健康診断、(4)作文、(5)統一用紙以外の書類の提出を合わせると「違反又は疑いの指摘のあった事業所数」は181社であったことが報告された。また、6月に「公正な採用選考に向けて」のリーフレットが都立学校全教職員に配布されたこと。また、「就職を希望する高校生の皆さんへ」と題する生徒向けパンフレットが全都立高校にインターネットのメール便で配布されたことが報告された。つづいて産業労働局からは「就職差別解消促進月間」の取り組み、啓発冊子「採用と人権」を6万2千部作成し企業等に配布した取り組みの報告があった。私学部からは「進路保障に関する啓発・研修実績」が報告された。
 東京労働局からは「新規高等学校卒業予定者の採用選考等に係る不適正項目別事実確認状況」が報告され実数で94事業所の統一用紙違反が確認され、是正指導がおこなわれたことが報告された。
 違反事例には面接で「本籍・出身地・家族構成・保護者の職業などを聞いた」事例など「本籍・出身地」に係る事例が4件あった。東京労働局が「推進員を選任し、人権問題について研修を実施するよう」指導するなど是正指導をおこなったが、今後、こうした事例を根絶することが重要な課題である。
 各局の報告の後、意見交換がおこなわれた。解放同盟都連、都同教からそれぞれ、長年の要望が実って、昨年作成された「就職を希望する高校生の皆さんへ」と題する生徒用の冊子について要望が出された。この冊子が生徒一人一人に確実に届くようにしてもらいたい。内容をもっと生徒にわかりやすいものに工夫してもらいたい。また、この冊子を活用して、生徒一人一人が就職差別を跳ね返し、自らの人権を守れるように取り組んでもらいたいとの意見が出された。 進路保障会議の長年の取り組で、学校・都教委・労働局間の統一用紙違反の通報、調査、企業指導の仕組みがしっかりと機能し定着したことは大きな成果である。ひきつづき進路保障の取り組みを前進させよう。

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