第8回就職差別撤回東京集会

会場風景

 第8回就職差別撤廃東京集会が開かれました。

「『間接差別』禁止の視点から考える、日本の雇用の課題」テーマに

 2007年6月5日(火)13時から、豊島区池袋の豊島公会堂で、第8回就職差別撤廃東京集会が開かれました。会場には、都内の企業、労働組合、教育関係団体などから600人の参加者があつまりました。

社会的差別に関する新しい考え方「間接差別」

 今回の集会のメインテーマは、「『間接差別』禁止の視点から考える、日本の雇用の課題」でした。
 「間接差別」とは、国際社会(ILOや国連、またEUなどの欧米諸国)が提示した新しい社会的差別に関する規定です。特定のアイデンティティー(や社会的属性)を持つ諸個人が、必ずしもそれを理由に直接差別の対象とされていなくても、何らかの制度や慣行等によって「結果的に不利益を受ける」ことがあった場合、これを「間接差別」と呼びます。
 例えば、ある企業が印刷工場の労働者を採用する際、「高卒以上の学歴を有する者」という制限を設けて採用希望者を募ったとします、この場合企業は、直接的に応募者を学歴で差別したことになります。しかし、もしも応募要件上学歴が「不問」であったとしても、入社試験の問題のほとんどが大学検定と同レベルの設問で構成されていたらどうでしょう。結果的には、学歴を限定した場合と何ら違わないことが想定されます。つまり、合格者は高卒以上の学歴を有する者が圧倒的となるでしょう。この場合、企業は応募者の学歴に関して間接差別をしたことになるわけです。
 今、国際社会では、「間接差別も、直接差別と同様に禁止する」という大きな流れができつつあります。日本でも2007年4月1日に施行された改正「男女雇用機会均等法」の中で、はじめて「間接差別」の禁止が盛り込まれ、注目を集めるようになりました。
 今回の集会では、この「間接差別」禁止という新たな視点から、日本の雇用、特に採用時の課題は何であるかを考えました。
 集会では、竹村毅・集会実行委員長(元労働省大臣官房参事官)が、メインテーマに添って基調講演をおこないました。竹村委員長は、「間接差別とは何か」という疑問について、この考え方が生まれてきた歴史的背景や国際的潮流について丁寧に解説しました。そして「日本ではとりあえず『改正男女雇用機会均等法』でまず取り入れられたが、今後様々な法令や制度にこの考え方が組み入れられるだろう」と述べました。
 集会では、「ハローワークの役割」と題して、東京労働局職業安定部の森泉尚人職業対策課長補佐から、また「進路保障の現状と課題」と題して、東京都同和教育研究協議会々員の金玉煕都立竹台高校教諭からそれぞれ報告を受けました。
 来年の集会は、2008年6月5日(木)におなじく豊島公会堂で開催される予定です。

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