|
五 脅迫状の用紙
所論は、要するに、請求人は、妹の学用品の大学ノートの紙片を脅迫状の用紙に使用したと自白したが、関根政一作成の昭和三八年六月二一日付大学ノート綴目に関する捜査報告書(関根報告書)によれば、請求人方から押収された大学ノートの綴目が、本件脅迫状の用紙である大学ノート片の綴目と異なることが裏付けられ、右自白の信用し難いことが明らかになつたから、請求人が本件脅迫状の作成者であるとする確定判決の認定に合理的な疑いが生じる、というのである。
検討するに、関根報告書は、本件脅迫状に用いられたノート片の綴目は、一三か所あるが、請求人方の捜索で発見押収されたノート七冊(昭和三八年五月二三日押収分六冊、同年六月一八日押収分一冊)のうちの一冊の用紙の綴目は一一か所であり、両者の綴目の数は相違しているという事実を明らかにしているに止まるのであり、両者の綴目の数は相違しているという事実を明らかにしているに止まるのである。したがって、右報告書を確定判決審の関係証拠と併せ考えても、請求人が自宅にあつた妹のノートから外した紙片を使って脅迫状を作成した旨の自白の信用性がこれにより揺らぎ、延いては、本件脅迫状が請求人作成にかかわる旨の確定判決の認定に疑いが生ずるものとは言い難い。
◆狭山事件第2次再審棄却決定-INDEXに戻る |
|
e-mail : mg5s-hsgw@asahi-net.or.jp |