部落解放同盟東京都連合会

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第一二 死体埋没現場の玉石の存在について

 所論は、要するに、新証拠として、(1)生越忠作成の昭和五〇年八月二五日付鑑定書(生越鑑定書)、(2)証人生越忠を援用し、被害者の死体埋没現場に存在した玉石(東京高裁前同押号の六、本件玉石)は、犯人が死体埋没の際に意図的に置いたものであることが裏付けられるところ、請求人の自白がこの点について何も言及していないのは、請求人が死体を埋没した犯人ではないことを示す明白な証拠であると主張するのである。
 しかしながら、所論援用の生越鑑定書は、所論と同旨の主張を裏付ける新証拠として、既に第一次再審請求で提出され、その請求棄却決定の理由中で判断を経たこと(なお、再審請求棄却決定に対する異議棄却決定、特別抗苫棄却決定の各理由中でも判断されている。)が明らかであり、本再審請求の審理にあたり、右鑑定書の作成者を証人として加えてみても、実質上、証拠は同一であるに等しいから、所論は、本件玉石に関して、第一次再審請求におけると同一の理由により再審を請求するものであって、刑訴法四四七条二項に照らし不適法である。
 そして、念のため検討するに、関係証拠によれば、付近農地の開墾の歴史は古く、本件死体埋没現場は造成された農道であるから、以前に持ち込まれて付近に存在し、死体埋没の際に、たまたまその側に土砂と共に埋められたとしても不自然ではない。さらに所論援用の証拠を併せ見ても、犯人が死体埋没に当たって、本件玉石をわざわざ死体の傍らに置いたと認めるべき証跡があるとは言い難く、確定判決の認定に影響を及ぼすものではない。

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