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発信日02年9月23日、通算第29号
★最高裁の担当裁判官一人が交代します
政府は02年9月20日、10月6日限りで退官する井嶋一友・最高裁裁判官(第1小法廷)の後任に、甲斐中辰夫(62才)東京高検検事長をあてる人事を発表しました。井嶋裁判官が検察官出身のため慣例によって検察官である甲斐中検事長を起用したものです。
しかし、現職の東京高検検事長を最高裁裁判官に任命するというのはどういう慣例でしょうか。「狭山事件」に関して言えば、東京高検はついこないだまで係争相手でした。また最高裁に審理が移った今も「証拠開示」については東京高検が実務担当官庁となっています。検察一体の原則から言っても、甲斐中・新裁判官は、「狭山事件」に関する特別関係人の一人です。こんな人事が平気で行われてきたこと自体、このくにの司法が公正からほど遠い状態である証明ではないでしょうか。アメリカやヨーロッパ諸国なら、当然「裁判官忌避」の申し立てが受理されるケースです。《甲斐中辰夫(かいなか・たつお)新最高裁裁判官のプロフール》
中大法卒、64年司法研修生。東京地検検事正、高松高裁検事長、最高検次長検事をへて02年1月から東京高検検事長。62才。
★狭山事件の再審求める東京青年集会(仮)について
狭山事件の再審を求めて、自治体に働く青年や解放同盟の青年たちが独自の狭山集会を開くことになりました。日程は下記です。詳しいことは、また決まり次第本ニュースでお知らせします。
日時:10月20日14時から
会場:総評会館(東京都千代田区神田駿河台)★報告-全国狭山活動者会議・住民の会交流会(2)
部落解放同盟中央本部「今後の闘いの方向性提起」要旨(※文責は当ニュース編集者)つづき
当面の闘いは、司法改革に対する取り組み(現在パブリックコメントが受け付けられている)、証拠開示の立法化を求める全国署名活動を提起する。全力を挙げてこの闘いを進めよう。また、10月31日、中央集会を開催する。弁護団はこの日最高裁に「補充書」を提出する予定だ。弁護活動を支援するためにもぜひ集会を成功させたい。各地から積極的な参加をお願いしたい。
庭山英雄弁護士による、司法制度改革に関する提起・要旨(※文責は当ニュース編集者)
現在政府が進めようとしている司法制度改革は、少なくとも審議会答申の段階では「積極的な側面と危険な側面」の両面を持っている。審議会答申の中には、「証拠の開示」の必要や市民が裁判に参加する「裁判員制度」が盛り込まれた。しかし現在政府・法務省は、こうした「積極面」を後退させ、「裁判の迅速化」や「乱訴を防ぐ裁判費用負担の改革」など市民側から見れば危険なことだけを推進しようとしている。こんなことは許してはいけない。現在政府の司法制度改革推進本部(首相官邸内)は、司法制度改革についてのパブリックコメントを募っている。この募り方も実にこそくで、10月31日を期限としてあまりおおっぴらに宣伝することなくやってしまおうとしている。
私は、多くの賛同者と一緒に「市民の裁判員制度つくろう会」というものを作って今運動を始めている。皆さんにもぜひ力を貸してほしい。
狭山事件の再審をおこなわせるためには、検察による証拠隠しをやめさせる取り組みがぜひ必要だ。また、市民が裁判に参加する民主的な司法制度を実現し、日本の司法反動事態を変えていく取り組みが大切だと思う。
みなさん、全国で積極的にパブリックコメントに応じ、政府に向かって意見をぶつけてほしい。司法改革に対する取り組み(現在パブリックコメントが受け付けられている)
《司法改革について―首相官邸HP》
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/saibanin/06goiken.html《市民の裁判員制度つくろう会HP》
http://www.saiban.org/
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e-mail : mg5s-hsgw@asahi-net.or.jp |