部落解放同盟東京都連合会
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《狭山事件情報020715》

      

 発信日02年7月15日、通算第25号

         

「石川さんが逮捕直後に書いた手紙に関する考察」のご紹介

 本ニュース受信者でもある藤沢汎子さん(東日本部落解放研究所狭山部会・解放同盟足立支部)が、『明日を拓く』(東日本部落解放研究所機関誌)に石川さんが逮捕直後に書いた手紙について書かれています。藤沢さんは、事件当時の石川一雄さんの筆跡について、ずっと考察を続けてこられた方です。
 2002年の高橋決定で東京高等裁判所は、「たとえ系統的な書字教育を受けられなくても、一般的な社会生活の中で大人になれば自然に文字を習得するものだ」として、石川さんに「脅迫状は書けた」と断定しました。弁護側が筆跡鑑定の資料とした石川さんが書いた文書が「たどたどしい文字」なのは、緊張していたり、書けないように見せるためにわざとそうしたのであって、当時の石川さんの書字能力を正確に表していない、と判断したのです。
 藤沢さんは、この断定に強い疑念を抱きました。長年識字学級に関わってきた経験から、「書字教育を受けなくても、一般的な社会生活の中で大人になれば自然に文字を習得する」ことなどあり得ないと実感してこられたからです。「文字を学ぶ機会を奪われた人が、どれほど努力して文字を獲得するのか、そのことが裁判官にはまるで分かっていない」。藤沢さんは改めてそのことを気づきました。
 藤沢さんは、石川さんが逮捕直後に家族に書いた手紙を探し出し、それを分析することで高橋裁判長の断定に異議申し立てをしています。
 全国の識字学級の皆さん。狭山と識字のつながりについてはこれまでいろんな機会に訴えられてきました。今回、東京高等裁判所が行った決定は、この訴えの意味を再認識させる重要な意味を持つものです。高橋裁判長は、識字の取り組みの持つ重要性と意義を真正面から否定して、石川さんの再審請求を棄却したことになるからです。
 皆さん、ぜひこの藤沢さんの文章を読んでみてください。

「逮捕二日後の石川さんの『手紙』―事件当時の石川さんの書字能力についての考察―藤沢汎子」(全文)
 http://www.asahi-net.or.jp/~mg5s-hsgw/sayama/news/ieenotegami.html

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