東京都人権指針のあらまし
(指針策定の必要性)
○新しい社会ルールの創造
社会的責任よりも権利意識が優先するなど、社会ルールが揺らぎ、基軸となる新しい価値体系が見いだせず、社会の混迷が深まっている中で、基本的な人権の尊重を基礎とした社会ルールを確立することが必要である。
○多様な価値観や生き方を尊重する東京の実現
少子・高齢化などの時代の変化に対応し、さまざまな人々が機会の平等を基礎として社会参画ができ、持てる力を最大限に発揮できるような仕組が必要である。
○人間の存在や尊厳を脅かす新しい人権課題への挑戦
今日生じている深刻な人権問題に加え、プライバシーや遺伝子の領域など人間の存在や尊厳を脅かす新しい人権課題に挑戦する必要がある。
(人権施策の基本理念)
人間の存在や尊厳が脅かされることなく、自らを律する自立した個人が、権利行使に伴う責任を自覚し、共存と共感で相互に支え合い、都民が世界に誇れる都市をつくる。
(人権施策の展開の考え方)
○公共性の視点
人権の尊重の理念には、他の人の人権や公共の利益との調和を図ること、すなわち公共性の考え方が含まれていることを踏まえて、人権施策を推進する。
○総合的な仕組による推進
人権侵害への直接的な対処のみならず、社会的な気運の醸成や都民・企業等の意欲を活かすための基盤づくりなど、人権問題に共通する観点による総合的な取組みを展開していく必要がある。課題が複雑に絡み合ったり、これまでの施策と手法では対応できない新しい問題については、救済・保護、啓発・教育、支援・助成の観点から人権施策を推進する。
○都民、NPO 、企業等の参画
都民やNPO 、企業等の多様で多角的な社会参画を通じて、社会の連帯の力で、人権施策を支えていく。
(人権施策の具体的な取組のポイント)
■救済・保護
○相談機関等ネットワークの構築
民間を含む相談及び保護機関を横断する総合的なネットワークを構築し実効性の高いサービスを提供できる仕組をつくります。
○トータルコーディネート部門の設置
相談機関等のネットワークを効率的に機能させるため、各機関の対応力を強化するとともに総合調整を支援するトータルコーディネート部門を設置します。
■啓発・教育
○企業等への啓発
都は関係機関の協力を得ながら、人権尊重の理念にそった事業活動を展開するよう、トップセミナーなどを開催し、企業・業界団体等に対して啓発を行います。
■支援・助成
○東京ヒューマン・ウエーブ21 (仮称)の展開
都民、企業、NPO 、大学など多様な主体の参画により、推進キャンペーンやシンポジウムなど複数の事業を有機的に結び「東京ヒューマン・ウエー、ブ21(仮称」を展開します。)
○人権ビジネスの事業化の基盤づくり
人権にかかわる多様で柔軟なサービスを都民に提供するため、人権ビジネスの事業化の基盤づくりを進めます。
○人権標準ガイドライン等の策定への取組み
人権を広く社会に浸透させるため、人権尊重の行動ルールを示す人権標準ガイドラインの策定に向けての取組、プライバシー保護標準ガイドラインについての研究・検討します。