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 INDEX資料室東京都人権指針に関する資料室

2000年10月11日

東京都知事 石原慎太郎 様

東京都人権施策推進指針対策連絡会

 

人権施策推進のための指針策定にあたっての要望書

 

 日夜の差別撤廃、人権確立にむけたご尽力に敬意を表します。

 東京都は6月19日「人権施策推進のための指針<骨子>」を発表しました。また、<骨子>に対して、都民より「意見・要望」を募集し、私たちも被差別当事者の立場で要望を提出しました。しかし、「意見・要望」の集約結果について未だ公表されず、今秋を目途に策定される「人権施策推進のための指針」が私たち被差別当事者の要望を踏まえたものになるのかどうか危惧しているところであります。

 周知の通り、差別は一件たりとも存在してはならない社会悪です。それ故に、「人権指針」の策定にあたっては、被差別当事者の意見・要望・実態を充分把握することが必要であり、また、「人権指針」の推進にあたっても同様です。

 以上のように被差別当事者の立場に立った「人権指針」が策定されるよう下記の点を要望いたします。全ての差別を一日も早く撤廃させるために、前向きにご検討いただけますようお願い申し上げます。

(1)東京には、様々な差別が存在しています。そして被差別当事者が生活しています。東京都はその人権施策の基本として、この事実を明確にすることからスタートすべきです。差別をなくしていくことなくして人権の尊重された社会を作ることはできません。したがって指針においては、まずなによりも「差別をなくしていく」という強い東京都の意志を示すべきです。

(2)人権施策の理念について〈骨子〉では、「機会の平等を約束する都市」と述べられています。しかし、今日国際的には「実質的な平等」をいかに政策的に保障するかが課題となっています。東京都もこうした国際的な視点に立って施策の方向性を打ち出すべきです。

(3)人権に関する現状について、被差別当事者の意見が充分反映されていません。被差別当事者の意見を踏まえ、再度現状について整理するとともに、生活や雇用、産業、医療など被差別者の生活実態もきちんと明記すべきです。

(4)その上で、従来からの施策の評価・検討を早急におこない、その結果にそって個別人権分野ごとの5ヵ年計画を確立することを明記すべきです。

(5)専門懇談会の「提言」では課題にあげられていたのに、今回の〈骨子〉では同性愛者の課題が削除されています。その理由をあきらかにするとともに、「府中青年の家差別事件」の経緯等をふまえて、人権の課題として明記する必要があります。

(6)人権侵害を受けた人への「救済・保護」は課題にあげられていますが、人権侵害を与えた人への「規制」は課題になっていません。これでは人権侵害(差別)を温存させてしまいます。「差別禁止条例」など「規制」に対する対策を検討することを明記しなければなりません。

(7)「啓発・教育」「救済・保護」等において、「被差別当事者団体を含めた民間活動の支援」が記載されています。しかし、さらに被差別当事者団体が果たしてきた役割を「理念」においてきちんと明記するべきです。そして、差別撤廃を自主的に進めている被差別当事者団体の活動への支援を、具体的に事業化すべきであり「啓発」や「救済」のみにしぼるべきではありません。

(8)人権施策推進のための指針にもとづきおこなわれるすべての事業も含めて、指針推進にあたっては、被差別当時者団体との協議機関を設置し、当事者の意見を政策決定に反映できる具体的システムの確立が必要です。このことを明記すべきです。

【要望書提出団体名】

東京都人権施策推進指針対策連絡会

日本婦人会議東京都本部 議長 井上好子

婦人民主クラブ 共同代表 赤石千衣子

アイヌウタリ連絡会 事務局長 長谷川修

在日韓国民主統一連合東京運営委員会 代表 李義茂

在日コリアン人権協会 会長 徐正禹

全国障害者解放運動連絡会議関東ブロック 代表幹事 矢内健二

>障害者の生活保障を要求する連絡会議 代表 太田修平

動くゲイとレズビアンの会 理事 稲場雅紀

部落解放同盟東京都連合会 執行委員長 石居秀夫

外国人と共に生きる大田・市民ネットワーク 代表 鈴木昭彦

労働組合江戸川ユニオン・移住労働者と連帯する全国ネットワーク 代表 宇田川正宏

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