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 INDEX資料室東京都人権指針に関する資料室

同性愛者の人権の公的認知に関する要請

   

東京都知事 石原慎太郎 様

NPO法人 動くゲイとレズビアンの会

代表理事 永田雅司

要請事項

一、「人権施策推進のための指針」における「同性愛者の人権」の明記について

 東京都で現在策定中の「人権施策推進のための指針」に以下のことを明記されることを要請いたします。

1 .「性別や年齢、障害、出身、民族、国籍等」に加えて、「性的指向」も、社会への参画や、個性と能力の十分な発揮の妨げとなるような不合理な差別や偏見の理由となってはならないこと。
2.東京都の人権に関する現状において、同性愛者の人権問題が存在すること。
3.啓発・教育・研修など、東京都の人権施策の展開に当たっては、同性愛者の課題に対する個別的な視点からのアプローチが必要であること。
4.上記1〜3に関して、具体的には、
(1について)本年6月19日発表「人権施策推進のための指針<骨子>」(以下「骨子」)2頁1行目「人権施策の基本理念」第三の部分の「性別や年齢、障害、出身、民族、国籍等」の部分に、「性的指向」を付け加えること。
(2について)「骨子」第7〜8頁「その他の人権問題」に、同性愛者の人権問題についての簡潔な説明を付け加えること。
(3について)「骨子」第17頁「啓発」および第18頁「教育」における「犯罪被害者やその家族の人権、性同一性障害のある人々などの課題」という記述に、「同性愛者」を付け加えること。
 以上の形で、「骨子」を改訂していただくことを要請いたします。

二、「人権施策推進のための指針」における「社会的弱者・少数者」の定義について
「骨子」29頁以下「支援・助成」で使用されている用語「社会的弱者・少数者」の中に同性愛者が含まれることを確認していただくよう、要請いたします。

要請の趣旨

1.同性愛者の存在と差別・偏見について

 東京都には、多くの同性愛者が都民として居住しています。同性愛者は全人口のおよそ5〜10%の割合で存在すると言われていますが、東京は同性愛者の大きなコミュニティが存在しており、同性愛者の人口比は一般よりも大きなものであることが想像されます。

 性的意識が同性に向く人を同性愛者、異性に向く人を異性愛者と呼び、どちらの性別を性的意識の対象とするかという概念を「性的指向」と呼びます。性的指向は、性別、性自認、社会的性役割といった性の基本概念の一つであり、個人の性的指向は社会的・文化的・生物学的な諸要因によって決定されています。
 同性愛者はこれまで、学校でのいじめや軽蔑、職場での差別や解雇・不合理な強制配転をはじめ、様々な差別・偏見を被ってきました。地域や家庭も同性愛者に対する偏見を持っており、私たちにとって、心やすらぐ場として機能していません。
 同性愛者は暴力の対象にもなっています。都内の公園などでは、少年グループなどによる同性愛者をターゲットとした襲撃事件が多発しており、江東区の都立夢の島緑道公園では、本年2月に強盗殺人事件まで発生しています。この事件は、同性愛者の人権が危機にさらされていることを端的に示しています。
 都内に多くの同性愛者が存在し、様々な偏見や差別が起きているにも関わらず、同性愛者はこれまでいかなる人権施策の対象にもなってきませんでした。そのため、同性愛者に対する正確な知識や情報が都民一般に行き渡らず、差別・偏見が放置される状況となっています。状況改善のためには、東京都の現状において同性愛者の人権問題が存在することを「人権施策推進のための指針」に明記し、公的な認知を与えることが急務です。

2.「人権施策推進のための指針」に関する経緯

 昨年8月、「指針」策定のために東京都が設置した「人権施策推進のあり方専門懇談会」は、同性愛者・性同一性障害の当事者や自己の性別に不快感を伴う人々・インターセックスの人権について当事者団体からのヒアリングを行いました。その後懇談会は、昨年末に発表された「提言」で、同性愛者を含む性的マイノリティー等の人権を東京都の人権施策に取り込むことを明記しました。
 さらに、本年7月の東京都議会第二回定例会において、公明党・民主党・日本共産党の3党が、同性愛者の人権を人権指針に明記すべきであるとの見解を表明しています。
 このことの重要性に鑑みても、今秋にも発表される予定の「指針」に、同性愛者の人権問題が存在することと、施策の展開に当たって同性愛者の課題に対しても個別的な視点からのアプローチが必要であることを明記することは極めて重要です。

3.「性的指向」に関する機会の平等の保障について

 同性愛者に対する差別・偏見は、同性愛という「性的指向」を理由とした不合理なものであり、これらは同性愛者が社会に参画し、その個性・能力を十分に発揮することを大きく妨げています。
 諸外国においても同様の状況が存在していましたが、近年、憲法や反差別法、地方の反差別条例等において「性的指向による差別の禁止」を明記する国・公共団体が増え、同性愛者の社会参加と平等が保障されつつあります。
 アジア諸都市における東京の活力や国際競争力の低下が取りざたされていますが、同性愛者の人権擁護を、東京が率先して掲げることは、人権を尊重する都市としての東京を世界に大きくアピールすることにつながり、東京を国際的に開かれた都市にしていく上でたいへん重要であるということができます。また、わが国の首都である東京が他道府県にさきがけて同性愛者の人権を公的に認知することは、大都市圏以上に厳しい立場に置かれている地方の同性愛者にとっても、大きな励ましとなることでしょう。
 私たちは、上記の趣旨に基づき、要請・確認事項一・二の方法で「人権施策推進のための指針」に同性愛者の人権を明記し、東京都において「同性愛者の人権」に関する公的認知、同性愛者への人権施策の実現を行うことを要請いたします。ぜひとも、ご検討のほどお願い申しあげます。

賛同団体(9月13日段階 計29団体/分野別50音順)

(同性愛者・性的少数者に関連する団体)
ES−T東北
ANGEL LIFE Nagoya
ゲイ・フロント関西 アクションブランチ
ゲイポリティカルフォーラム・アクエリアス
JRDC(ジャパン・レインボー・デフ・コミュニティ)
SIESTA
すこたん企画
VSG
プライドグループ
れ組スタジオ・東京

(HIV/AIDSに関連する団体)
エイズアクション
AIDS & SOCIETY研究会議
HIV訴訟を支える会(役員会有志)
特定非営利活動法人 HIVと人権・情報センター
せかんどかみんぐあうと
ぷれいす東京
レッドリボンさっぽろ

(性教育に関する団体)
性を語る会(代表 北沢 杏子)
"人間と性"教育研究協議会

(女性の人権に関連する団体)
SOSHIREN 女(わたし)のからだから
日本婦人会議東京都本部
婦人民主クラブ

(人権に関連する団体・他)
アムネスティ・インターナショナル日本支部
人権フォーラム21
都庁職民生局支部 日野療護園分会
カリフォルニア州NPO法人 日本太平洋資料ネットワーク(理事長 柏木 宏)
反差別国際運動日本委員会
部落解放同盟東京都連合会
特定非営利活動法人 町田ヒューマンネットワーク

以上

              

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