証拠の手拭いは石川さん宅のものではない


手拭い

 5月4日、狭山事件の被害者の遺体は、手拭いで後ろ手に縛られている状態で発見されました。

 この犯行に使われた手拭いは、狭山市内の米穀店が新年の年賀用に得意先に配布した165本のうちの1本で、石川さん宅にあったものが犯行に使用されたとし、自白を離れた状況証拠と認定されました。

 2審の滝沢直人検事の証言では、石川さん宅から手拭1本を警察が押収したがこれは、姉婿の石川仙吉さんから都合をつけて警察に提出したものだと主張しました。

 しかし、手拭は1本しか貰っていないと仙吉さんは主張していました。

 これに対して、第3次再審において狭山弁護団は、手拭いについての捜査資料の開示を求め、裁判所も開示を勧告し、2013年1月と3月に50年ぶりに手拭いに関する当時の捜査資料が開示されました。

 開示された手拭い配布一覧表には仙吉さんの家に配布された手拭いは1本と書かれていました。

 そして、元々書かれていた数字「1」の上下に別の筆記具で線が書き加えられ、「2」に見えるようにされていました。

 滝沢検事は「TBSのテレビで手拭いについての情報を知り、仙吉さんから手拭いの都合をつけ警察に提出していた」と主張し、有罪判決は検察官の推察を根拠に犯行に使われた手拭いは石川さんの家のものであり、自白を離れた有罪証拠だとしていましたが、TBSで番組が放映された同日の5月6日午後0時20分に、警察官2名が石川さん宅を訪れ、手拭いがあることを現認していたと、開示された捜査報告書でわかったのです。

 弁護団はTBSテレビに問い合わせ、手拭いに関するニュースがいつ放送されたかを照会請求したところ、当時の編集記録から、5月6日の午後0時2分から50秒間放送されていたことがわかりました。

 TBSテレビの放送から警察官が石川さんの家で手拭いを現認するまで、約17分しかなく、このわずかな時間で石川さんが仙吉さんから都合をつけることは困難であり、元々石川さん宅にあったものを警察が現認したと考えるのが自然で、検察官の主張とそれを根拠にした有罪判決の誤りが開示証拠で明らかになったのです。

 また、開示された取調べ録音テープで、手拭いで後ろ手に縛ってあったことを含めて遺体の状況について石川さんが説明できていないことが明らかになっています。

 遺体がどうなっていたか教えてほしいと取調べの警察官に訪ねていたことも開示された警察官の報告書で明らかになっています。

 犯行に使われた手拭いが石川さんの家のものでないことは有罪判決を突き崩す新証拠であり、そのほかの新証拠と総合的に見れば石川さんの無実は明らかです。



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