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狭山事件-最新情報

            

指紋が語る狭山事件の真実―石川さんは無実

部落解放第47回全国女性集会で、斎藤鑑定人が記念講演

           

 3月29日〜31日、宮崎県において、部落解放第47回全国女性集会が開催され、全国から2500人の女性が集いました。(左写真は01年5月の狭山事件全国交流会で参加者に講演する斎藤保鑑定人の様子)
 1日目の全体集会で、狭山事件第2次再審請求において、脅迫状や封筒の鑑定書を作成した斎藤保・指紋鑑定人が、『狭山事件の真実−37年の眠りから覚めた証拠−』と題して、記念講演を行ないました。
 2日目は、12分科会に分かれ、各地域での活動報告・意見交換を行ないました。
 第3分科会「女性と狭山闘争」では、午前中は、埼玉県連からの分科会報告を中心に全国各地域の取り組みの報告が会場発言であり、午後からは、斎藤鑑定人による狭山事件の脅迫状・封筒の指紋検出の再現実験を行ないました。
 分科会会場には、231名の参加者が詰めかけ、大急ぎでいすが補充されたり、いすに座れない人は床に座るなど、また入りきれずに他の分科会にまわされる人が出る始末で、狭山事件の異議申立審棄却に対する怒りと関心の高さに、驚きました。1月23日付で棄却された、狭山第2次再審異議申し立て審棄却の決定に、参加者は一様に怒り、各地域での抗議行動等の取り組みの発言が相次ぎました。
 宝塚市民の会では、3日間、宝塚駅の乗換え通路に、朝6時から夜まで抗議の座り込み行動を行ない、大きな字で文章を壁に貼り付けたりして、一人でも多くの人に、異議申し立て審の不当性を伝えようと行動したことなどが報告されました。

棄却決定は間違っている。石川さんは無実

 午後からは、斎藤鑑定人が、脅迫状・封筒について、細部にわたって、確定判決に誤認があることを説明してくれ、そして参加したみんなの前で、実際に脅迫状・封筒から指紋を検出する、再現実験をしてくれました。そして、私たちが知らない捜査の基本や鑑識の方法など、具体的に話してくれました。たとえば、

1 捜査をするにあたっては、警察は本来、その人物が『黒』の捜査と『白』の捜査を行わなければならない。でないと冤罪を生んでしまう。しかし埼玉県警は、『黒』の捜査しかしていない。

2 『少時』と『様』の筆記用具が違う。
  封筒の字の残り方で、『少時』は鮮明に残っているが、『様』はにじんでいる。これは指紋検出に使用されたニンヒドリン・アセトン溶液は、ボールペンのインクを溶かしてしまい、万年筆のインクは溶かさない。したがって、封筒の『様』がにじんでいるのは、ボールペンで書かれたものであり、『少時』は万年筆で書かれたものである。自白では、脅迫状は、自宅でボールペンで書いたことになっているが、当時、石川さん宅には、万年筆はなかったのだから、脅迫状を石川さんが書くことはありえない。

3 『少時』と『様』の字の溶解具合が違うのは、指紋検出時のニンヒドリン・アセトン溶液のかかり具合が違うからと再審棄却決定は言っているが、指紋検出に際しては、溶液にどっぷり浸して、検出薬をまんべんなくしみわたらせるから、かかり具合が違うことなどありえない。裁判官の事実誤認である。私を呼んで事実調べをしてくれれば、目の前で証明して見せるのに、裁判官は事実調べをしなかった。

4 指紋からは、犯人がわかる・人の行動がわかる・身元がわかるなど10のことが読み取れる。脅迫状をはじめ、いろんな証拠から石川さんの指紋が一切出ていない。

5 脅迫状上部のかき消し文字を再生すると、『女』『死』『林』『二』が読み取れ、『女』の文字は、草書体、『林』の文字は行書体で、当時の石川さんの筆記能力では、書くことができない。いずれも万年筆で書かれている。
などわかりやすく、石川さんが犯人ではありえないことを話してくれました。

 そして再現実験では、狭山事件で証拠として出されている脅迫状と裁判所が裁判の中で、認定した脅迫状と同じ条件の封筒・脅迫状をあらかじめ作成し、事件発生当時と同じ薬品を使って、実験を行ないました。脅迫状と封筒の作成に際しては、当時の石川さんは24歳ということで、24歳の青年と年齢の近い28歳の青年に、脅迫状と同じ文面で、字の大きさも同じ位にして書いてもらって事件を行いました。
 実験は、ニンドリン・アセトン溶液にどっぷり浸す方法と、ヨードガスを使った方法の2方法(当時の埼玉県警が行った方法)で行い、いずれもあっという間に指紋が浮かび上がりました。
 指紋の検出なんて初めて見ました。警察がいい加減な指紋検出をするなんて考えられないし、だからこそ石川さんの指紋がひとつとして出ていないことは、石川さんの無実を証明すること以外のなにものでもないと確信しました。
 参加した女性たちは、口々に「この分科会に参加してよかった。」といいながら分科会会場を去りました。みんなの顔がにこやかで、見ている私もうれしくなりました。

(部落解放同盟東京都連合会女性部の参加者より)

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