狭山事件の棄却決定を糾弾する東京集会


狭山事件の棄却決定を糾弾する東京集会決議

           

 2002年1月23日、東京高等裁判所第5刑事部・高橋省吾裁判長は、狭山事件の異議申し立てに対して、不当な棄却決定を出しました。私たちは、この不正義に満ちた決定を強い怒りをもって糾弾します。
 今回の棄却決定は、弁護団が提出してきた多数の証拠を真剣に検討することもなく、ただ「弁護側の論旨は採用できない」として棄却したものです。「論旨が採用できない」理由については、ほんど何も述べられませんでした。
 特に決定的な新証拠である「斎藤鑑定」などについては、「一つの推論である」の一言で片づけています。しかし斎藤さんは、24年間にわたって栃木県警鑑識課員として鑑定に携わってきた経験にもとづき、捜査側がおこなう鑑定方法で鑑定したのです。高橋裁判長の言うように、もし「斎藤鑑定」が「一つの推論である」とするなら、日本の検察が裁判に提出する捜査当局の鑑定などは、全て「一つの推論である」とされなければなりません。高橋裁判長はこの矛盾にどう答えるつもりなのでしょうか。
 狭山事件に関しては、事件発生から39年目となった今もなお、検察による証拠隠しがおこなわれています。このことについて国際人権規約委員会は、「重大な人権問題である」として、2度にわたって改善勧告を出しました。ところが日本政府・検察庁は、この勧告を無視しています。弁護団はこのような国際社会の声を高橋裁判長に伝え、「裁判長の職権で証拠開示命令を出してほしい」と求めていました。しかし高橋裁判長もまた、この当然の声を無視したのです。
 「全ての証拠を法廷に」という言葉は、公正な裁判を保障する最低限の原則をあらわしたものです。ところが狭山事件ではこの根本原則が踏みにじられています。検察ばかりか裁判所までもが、この当然の原則を無視して棄却決定を繰り返しているのです。これのどこが公正かつ公明な裁判なのでしょうか。著しい不正義といわねばなりません。
 石川さんと弁護団は1月29日、最高裁判所に特別抗告をおこないました。そして、最高裁が東京高裁の不正義を糾し、狭山事件の真実を解明することを求めました。棄却決定を受けた記者会見で石川さんは、「無念だ。なぜ真実を認めてくれないのか」と憤りを語りました。そして「しかし私は無実だ。この事実だけは誰も変えられない。皆さんと一緒に最高裁の場で全力で闘う」と訴えました。私たちも石川さんとともに、真実を唯一の武器として、特別抗告のたたかいを進めます。
 不正義は糾されなくてはなりません。私たちの合い言葉は、「真実は必ず勝利する。法の不正義に必ずうち勝つ」です。そして私たちは、いつの日にか必ず、石川さんとともに勝利を勝ち取ります。今日を起点に、この悔しさと怒りをバネに、私たちは闘います。
 右決議する

2002年2月6日

狭山事件の棄却決定を糾弾する東京集会


狭山事件の棄却決定を糾弾する東京集会

           

狭山東京実行委員会

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