2000年12月27日、墨田区内で悪質な差別脅迫張り紙事件が発生しました。
張り紙は、墨田区の施設である東駒形コミュニティ会館横のフェンスに挟み込まれたもので(段ボールを利用したもの)、会館の清掃を受託している業者の職員が発見して区に報告しました。
差別脅迫張り紙の内容は「公共施設(東駒形コミュニティセンター・図書)に出入りする こじき、ホームレス、ルンペン、無宿者、えた、非人、部落民、外人を我々は差別し、区別します。これらは区民として国民として人間として認知してません。…午前零時から日の出までの間現認したら、殺します、刺します、燃やします…」などと極めて悪質な内容です。
「特定の公共施設に出入りしたら殺す」などというのは、明らかに脅迫であり犯罪です。墨田区は地元の部落解放同盟墨田支部とも連携しながら、12月28日に張り紙の現場と会館内に「警告文」を張り出しました。
警告文の内容は、「過日2度にわたり、当コミュニティ会館周辺で、差別脅迫のビラが張り出されました。これらの行為は、犯罪行為であり、また、日本国憲法の基本的人権の享有の精神に反するものです。すでに、警察にも通報済みであり、再度このような差別落書きやビラを張り出さないよう警告します。なお、これらの差別落書きやビラを見つけたときは当コミュニティ会館の職員にすぐ通報するようお願いします。墨田区」というものです。
また墨田区長は、12月28日、職員を集めた会合でのあいさつで「事件は区施設の周辺で発生した差別張り紙事件で、これはあくまで犯罪行為である。今一度近辺を点検するとともに、いかなる差別もしない、させない、許さない心をもって職員が一丸となって対応してほしい」と訓示しました。
部落解放同盟墨田支部は、今回の差別張り紙事件は墨田区の部落のなかまの命と生活をおびやかす重大な差別脅迫事件としてとらえ、二度とこのような悪質な事件がおきないように、墨田区や区民と連携して、再発防止策を具体的に確立していこうと考えています。
2000.12/27