2000年7月23日、墨田区内の墓地建設をめぐって悪質な差別発言事件が発生しました。
事件は、墓地建設に反対している住民Bさん・Cさんが、墓地建設を計画している建設業者のA社長に「墓地ができると雰囲気が暗くなる」と言ったところ、同社長が「この地域はもともとエタで暗いところだから何ができても同じなんだ。知らないの」と差別発言したものです。
通報を受けた部落解放同盟墨田支部は取り組みを開始し、A社長に事実確認会に出席することを求めました。
事実確認会は9月19日におこなわれました。この席でA社長は差別発言の事実を認めました。事件についての糾弾会は11月1日にひらかれました。糾弾会で部落解放同盟墨田支部は、A社長に対し自身の差別意識を掘り下げ反省することをを求めました。同社長は「自分は大田区の生まれで中学の時、『士農工商えた・ひにん』と授業で習った。その時のことは『えた・ひにん』の言葉しかおぼえていない」また「20代の頃、友人の故郷である岡山に行った時、部落を通るとき朝鮮部落と同和部落は関西では一緒だ、部落では犬の肉を食っているなどと聞いた」と述べた。さらに「三重や名古屋に居た頃、部落はヤクザも入らないほど恐いところ」などの噂話を聞いて差別意識をもったことを述べた。
墨田支部は同社長に対して、今回の差別発言は部落民を最も侮辱し、差別する発言であること、部落に対する差別・偏見を広める行為であることを指摘し、重ねて反省を求めました。最後にA社長は反省文を提出することを約束しました。
墨田支部では今後、今回の差別発言の原因・背景に区民の中に存在する根強い差別意識や啓発や「同和教育」の不充分さがあることから、墨田区等に対して区民啓発の強化や同和教育の充実を求めていくことにしています。
2000.12/1