12月4日午前10時20分、東京23区清掃一部事務組合所管の足立清掃工場内の屋外待機所の男性用トイレにおいて、個室内左壁に、「ゴミ屋はえた非人以下のムシケラ」とマジックで落書きされているのを、同施設オーバーホール中の業者が発見した。発見した業者から管理事務所に報告され、足立区環境部に報告、環境部から人権・同和係に報告、人権・同和係から部落解放同盟足立支部に事件の発生が報告された。
足立清掃工場では、葛飾清掃工場で発生していた同様の差別落書事件を踏まえ、朝夕、待機所トイレの確認を行なっており、当日午前8時15分に見廻った時には落書きはなかったことが確認されている。筆跡から見て、葛飾清掃工場の差別落書と酷似している。また一般区民が立ち入ることはないことも葛飾清掃工場と同様であり、同一犯である可能性が高い。
この日は、午前10時から足立区の人権週間の取り組みである「足立区人権のつどい」が足立区庁舎ホールで開催され、人権ポスターや人権作文の入賞者の表彰、人権問題の解決に向けた講演会が開催されていた。
足立支部では、慶応大学生による連続脅迫はがき事件や連続大量差別はがき事件の被害者が足立支部の支部員であったことから、足立区内において、部落差別をなくするための取り組みとして、足立区との共催で、区民企画同和問題講座の取り組みなど、積極的に啓発活動に力をそそいできており、またもや起きたこの差別落書事件に、憤りを禁じえない。この事件は単に啓発の強化を行なうということだけでなく、このような事件が起きるその背景を明らかにしていかねばならないと、事件の解明に全力を注いていくことにしている。現在、足立区・葛飾区・東京23区一部事務組合、東京清掃労働組合、部落解放同盟で対策会議が開催されており、今後この事件の真相が解明されていくことを目指している。
(足立支部)
(2009.2/5)