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差別脅迫事件の東京地裁判決に対する声明

          

2001年2月24日

部落解放同盟東京都連合会
部落解放同盟千葉県連合会
部落解放同盟埼玉県連合会

 1月12日、東京地裁刑事第16部(木村烈裁判長)は、差別脅迫事件の犯人として逮捕されていた元慶応大学生Y被告に対して懲役1年6ヶ月、執行猶予4年の判決を言い渡した。この事件は、元慶応大学生Yが、中学時代のいじめに対する復讐のために、中学時代の校長や同級生などの名を騙って部落解放同盟東京都連や千葉県連の支部員に大量の脅迫ハガキを郵送した悪質な差別事件で、Yは昨年5月に、脅迫罪で逮捕され、9月から公判が開かれていた。
 木村裁判長は判決の中で、「はがきの脅迫文言は、露骨な部落差別を内容とし、極めて侮辱的かつ威迫的であって、それ自体悪質である上、犯行の手段は陰湿かつ卑劣である」としたうえで、「はがきを送付された被害者はもとより、その家族及び関係者に与えた精神的苦痛も大きい上、本件は新たな部落差別を助長しかねない犯行というべきであって、社会に与えた影響も軽視できない」と刑事責任を問い、懲役1年6ヶ月の判決を言い渡した。
 差別落書に対するこれまでの法の適用が器物破損罪や建造物損壊罪にとどまっていたことに対して、今回の判決では、部落差別を内容としたはがきによる脅迫事件として刑事責任を問い糾した点で、問題の本質に一歩近づいたといえるだろう。現在、全国各地で差別落書や投書事件が発生しているが、警察や法務局も極めて消極的にしか対応しない現状の中で、東京地裁がYによる行為を部落差別にもとづく犯罪=社会悪として認定したことの意義は大きい。
 ところで、今回、法務省人権擁護局および東京法務局人権擁護課は、再三の要請にもかかわらず、とうとう最後まで行政責任を取ろうとしなかった。われわれの調査によって昨年6月段階で犯人が判明し、しかも犯行を続けるような挑戦的な態度をとっているために、われわれは3回にわたって東京法務局に対して本人への直接指導を要請したが、東京法務局はとうとう最後まで本人に会わなかった。この点は、厳しく非難されなければならない。
 また、事情を知りながら積極的に動こうとはしなかった警察の責任も、問われなければならない。警察は、マスコミ報道や国会で取り上げられる段階になってから、ようやく行動を起こしたもので、当初は極めて消極的な対応を繰り返した。
 最後に、人権侵害の被害者救済での裁判制度の限界について触れておきたい。
 ひとつは、裁判所は訴えのあった行為に対して判断を示すだけで、加害者を教育するようなことはしない点である。差別事件を起こした個人にわれわれが望むのは、罰金や刑罰ではなく、解放同盟が差別糾弾闘争を通して実現しているように、差別事件に対する真摯な反省と、部落解放運動に対する理解である。
 二つめは、団体としての訴えを受理しない点である。この事件では、多くの支部や支部員が脅迫され、事実上の被害者は部落解放同盟であるので、解放同盟として訴えようとしたが、司法は解放同盟の団体としての告訴を拒み、一支部員の告訴を受理するにとどまった。
 三つめは、裁判所は、人権侵害や差別事件の原因・背景の改善を政府などに勧告、提言することはしない点である。判決は、Yの行為を部落差別にもとづく脅迫行為として処罰しただけで、差別を放置してきた国や自治体の行政責任についてはまったく触れていない。もちろん、この事件は元慶大生Yの個人的な犯罪ではあるが、その背景には社会問題としての根強い部落差別が存在している。彼は、社会的に存在している差別意識に影響を受け、その差別意識を利用して犯行をおこなったのであり、その部落差別を放置している国や自治体の責任に触れないのでは、今後おなじような事件が起きることを食い止められない。この点も、人権侵害の被害者救済における現行の裁判制度の限界を示すものである。
 現在、人権擁護推進審議会で救済制度のあり方が議論されているが、今回の差別事件へのとりくみを通して、今後とも真に実効ある救済制度を確立する運動をすすめていきたい。

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