今度は司法書士が
神戸司法書士会所属のK司法書士が戸籍謄本等を不正請求した事件で部落解放同盟中央本部は真相解明の取り組みをおこなうことを決定した。
東京でも多数の被害者
K司法書士は本人の諒解なしに他人の戸籍謄本を不正請求したもので請求理由は「訴訟」が多い。不正請求は全国に及んでおり、都連も区市町村行政に公文書開示請求(2005年〜2008年までにK司法書士名による戸籍謄本等の請求書の開示)をおこない真相究明の取り組みを開始した。
8月4日までにK司法書士が足立区4件、墨田区6件、江戸川区4件、目黒区2件、品川区8件、大田区5件、港区1件、葛飾区4件、江東区3件、練馬区13件の戸籍謄本等の不正請求をおこなっていたことが判明している。
東京都連ではこの間、二度にわたり戸籍謄本不正請求事件の真相究明の取り組みをおこなってきた。まず、2005年に発覚した兵庫県と大阪府の行政書士3人が興信所の身元調査に絡んで他人の戸籍謄本・住民票を不正に取得し、報酬を受け取っていた事件では、墨田区、台東区、荒川区、足立区、品川区、港区、大田区、葛飾区、江東区、江戸川区、練馬区の11区で合計31件の不正請求があったことが判明した。この事件の取り組みでは墨田区が「本人通知」(戸籍謄本を不正に取得された本人に行政が告知をすること)をおこなった。また広島県福山市では9件の「本人通知」がおこなわれ3件が身元調査の可能性があり、さらにその内の2件は結婚にかかわってのことであった可能性がひじょうに高いことが明らかにされている。
つぎに2007年に発覚した三重県の行政書士による戸籍謄本等不正取得事件では都内では、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、足立区、江戸川区、八王子市、武蔵野市、三鷹市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東久留米市、西東京市の27区市、59件の戸籍謄本等が不正に取得されたことが判明している。都連各支部が区市行政に対し、「不正取得された本人へ事実を責任を持って知らせるために、訪問あるいは通知するよう」に申し入れた。この取り組みを通じて墨田区、足立区、大田区、港区、目黒区で「本人通知」がおこなわれた。差別身元調査事件の根絶のために神戸司法書士による戸籍謄本等不正取得事件の真相を究明しよう。また「本人通知」の取り組みをさらに前進させよう。
(2008.9/26)