講師が差別を助長したと認める
受講生が「聞き取り内容に間違いない」と証言
特別区職員研修所講師による問題発言第2回確認会
都連は3月30日、特別区職員研修所会議室において「特別区研修所講師による差別助長問題発言」について事実確認会をおこなった。
確認会には特別区研修所からは渡辺研修所長他2名、港区は小池総務部長他3名(講師の港区清掃事務所長も含む)、清掃労組は纐纈副委員長他4名、解放同盟東京都連は長谷川委員長他5名が出席した。
確認会では講師の資料(自分の発言を文章にまとめたもの)と受講生の再度の聞き取りをまとめた資料が提出された。
都連は講師と受講生の発言内容が食い違うので、講師に事実を確認するとともに説明を求めた。講師は「環境改善事業の対象として補助金が3区あった。特措法施行以来の補助総額は国予算でおおむね1兆4400億円と都補助で1500億円だった。一人当たりにつき月1万円で極めて少額だった」「住宅地図により狭小路地が見えてくる。環境改善事業の対象の一つとして狭小路地改善事業があり、このようなことから住宅地図は問題がある」と研修で発言したと資料に書いているとおりだと述べた。
都連から「一人当たりにつき月1万円」とは何のお金なのか、何を根拠に言っているのか説明を求めたが講師は自らの発言にもかかわらず説明はできなかった。また「住宅地図に問題がある」とは何の問題があると言っているのか説明を求めたがこれもまた全く説明になっていなかった。
また、上記の講師が発言したという内容からは受講生が訴えている「今の時代、インターネットで古地図を調べれば同和地区はすぐわかる」と発言したという内容は出てきようがないと指摘し、事実の確認を求めた。やりとりの末、都連は「要するにインターネットで古地図が今調べられる。その中には部落であることがわかるとの趣旨を述べたのですね」と要約して、指摘した。これに対し、講師は「差別を助長するような発言になってしまったというふうに、今思いました」と述べ差別を助長する発言であったことを認めた。
さらに確認会の最後には、講師は「胸に落ちました。差別を助長してしまったんだというふうに思います。」と部落差別を助長した研修内容であったことを認めた。
事実確認の後、受講生の一人である東京清掃労組の青年部長である長妻さんが証言した。「(研修は)僕の解釈では2割が同和問題で8割が職場実態の話だった」などと最初の聞き取り内容は間違いないことを証言した。最後に確認会に出席した各団体から感想や事件の評価が述べられた。この中で特別区職員研修所の渡辺所長は「やはり全体的に見ますと、差別を助長するというような部分も見受けられるというふうに感じております」と述べた。