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荒川区土地調査差別事件の取り組み報告

          

1)事件の概要

 2006年4月、T不動産会社のK店長は、荒川8丁目の住宅建設予定地の近隣に同和地区があるかどうかを確認するため荒川区役所に行った。
 店長は荒川区人権推進課の係の職員に周辺地図のコピーを指して「ここは同和地域か」と質問し、職員は「同和地域かそうでないか答えることはできない。どうして必要か」と答えた。店長は「この場所に建物を建てるので、物件の購入者から聞かれた時のために知りたい。皮屋さんの跡地なので知りたい」と言い、また職員が再度答えられない旨を告げると「あんたでは話にならない。偉いのを出せ。偉い者の名前を教えろ。後で電話する」と言い、課長と部長の名前をメモして帰った。明らかに住宅建設予定地が同和地区かどうかを確認した土地差別調査事件である。

2)確認会で明らかになった事実

 都連は2007年1月26日荒川支部、江東支部とともに「荒川区土地差別調査事件確認会」を荒川さつき会館でおこなった。T不動産会社・店長が都連に提出した「経緯」と「反省文」および補足資料をもとに事実確認を行った。
 確認会では、この店長が住環境の現地確認調査に入ったとき、通りがかりの年配の女性が「この辺は『同和』と呼ばれているので、私は住みたくない」という言葉を聞いて、会社に戻り、住宅地図を見て住宅建設予定地の近隣に「部落解放同盟荒川支部」と表示されていることを知ったこと。「差別問題を相談に行く場所」、「部落」と「差別」が関連していることは認識していたこともあり、荒川区役所に行きこの住宅建設予定地が「同和地区かどうか分からないので教えて欲しい。」と同和地区かどうか尋ねにいった事実を確認した。そして、こうした行為が部落差別であることを指摘した。「反省文」では、部落差別の事実が「私の意識の低さ」「人間として恥ずべき態度・言動」などの部落差別をあいまいにした表現がされており、店長の部落差別認識のあいまいさを指摘した。そして、再度、部落差別の事実を踏まえた経緯、部落差別に関する反省、T不動産会社の今後の取り組みを明確にした反省文を提出するように要請した。

3)反省文の提出と取り組みのまとめ

 7月23日、土地差別調査事件の取り組みを荒川さつき会館でおこなった。今回はT不動産会社の店長が、反省と今後の決意を表明、これを受けて店長に対する取り組みを終了した。
 冒頭、店長は「荒川区部落差別事件の動機・目的と反省」と題した反省文を読み上げ反省内容を述べた。「荒川8丁目現場近くの方から『同和』という言葉を聞き、荒川区役所に足を運び、人権推進課で私が今まで漠然としてきた同和問題と言う言葉の意味や荒川8丁目現場近くの方から聞いた『同和』という言葉を、そこですべて疑問だったことが聞けるのではないかと推進課の方に『同和問題とは何か?ここは同和地区かどうか?そういう噂が無いか?』と尋ねてしまいました。私の目的は上記の動機に基づき、当該地域の近隣に同和地区があるか、どうか確認することでした。」「同和問題について私の無知と偏見が原因であり、深く反省し、お詫び致します。」と動機と反省を表明した。
 また、「私自身・身近な自身の会社でも時間を取り、資料・ビデオを用いて社員意識をたかめ、差別問題を社会・不動産業界内でも早くなくす意識をもち、周りの同和問題等差別問題を知らないという同世代等にもお互い情報交換し、これから勉強し、自身をふかめていこうと思います」と今後の取り組みの決意を述べた。
 反省を受けて参加者から「支部や行政のおこなう啓発集会などに積極的に参加し、同和問題の理解を深めること」などを要望した。また今回の取り組みで店長は「不動産業界の協会に加盟しているが同和問題の研修や啓発は記憶にない」「現在の勤務先を含めて企業での同和研修を受けたことがなかった」「宅地建物取引業免許の更新時の研修を事件後受けたが同和問題ついては数分説明があったが、以前の自分なら聞き流して記憶に残らなかったと思う」と述べている。東京都は繰り返される不動産会社の差別事件を受けて、これまで二つの不動産業界の協会に同和問題をはじめとする人権について啓発を依頼してきた。また、宅地建物取引業法講習会で都人権部が啓発をおこなってきている。しかし、今回の差別事件の発生は不動産業界や行政の取り組みの不十分性と課題を浮き彫りにしている。今後、東京都や不動産業界と話し合い、繰り返される土地差別調査を根絶する対策を確立していかなければならない。

(2007.08/27)

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