「わたしたちはここにいる」出版記念会が、3月10日、部落解放同盟中央本部会議室で開催され、オンライン参加者含めて約40名が参加した。主催は、人権ネットワーク・東京と㈱解放出版社。
書籍「わたしたちはここにいる」は、①被差別当事者たちの日常の生活の中から、あるいは生きてきた歴史(経験)の中から、差別の現実と運動、そして被差別当事者としての社会的自覚(その変遷)を浮き彫りにしていく、②被差別マイノリティ同士の相互理解と連帯の可能性をさぐる、という目的のもと、「人権ネットワーク・東京」と「反差別・人権青年交流会」という2つの団体の共催として、2017年から2018年にかけて4回実施された討論会をまとめたものであり、2023年8月に発刊された。
出版記念会では、討論会が「障がい者問題」、「部落╱人権╱民族問題」、「ジェンダー╱戸籍╱DV被害問題」、「貧困╱ホームレス╱階級問題」と4つのカテゴリーで実施されたことを踏まえ、各カテゴリーの司会者、登壇者から出版に至った思いや討論会以降の差別や運動の現状が語られた。
また、解放新聞中央版に書評を書いていただいたフリ―ライターの朴順梨さん、東日本部落解放研究所発行の機関誌「明日を拓く」にこれから書評を書いていただく毎日新聞社の鈴木英生さんから、被差別マイノリティが一堂に会し語り合うことの意義や相互連帯の重要性についてお話を伺った。
さらに、参加されていた石川大我参議院議員、大阪公立大学の阿久澤麻理子さん、明治学院大学の宮﨑理さんからご発言いただいた。
最後に、今後の人権ネットワーク・東京の取り組みとして、①引き続き、東京都に対する人権政策確立運動の展開。②人権に関心のある誰もが加入できるメーリングリストの構築。③集会やセミナー、フィールドワーク、講師派遣など「人権学びの広場」を開催。④都内の反差別・人権運動の青年層拡大にむけた取組の推進などが提案された。