LGBTの採用選考と就労をテーマに
就職差別解消シンポジウム



基調講演を行なう炭谷茂・就職差別撤廃東京実行委員会委員長(写真は東京都提供)

 就職差別解消シンポジウムが6月5日、 文京シビックホール大ホールで「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の視点からLGBTの採用選考と就労を考える」をテーマにひらかれ、1333人が参加した。主催は東京都産業労働局と東京労働局、共催が文京区。都連も構成団体となっている就職差別撤廃東京実行委員会も特別賛同団体としてシンポジウムに協力した。

 はじめに、東京都産業労働局の内田知子・雇用就業部長、東京労働局の茂原徳雄・職業安定部長が主催者挨拶をされた。

 基調講演「最近の人権を巡る状況」(特別賛同団体の炭谷茂・就職差別撤廃東京実行委員会委員長)では、人権をめぐる最近の動き、増加する人権問題とその特徴、部落差別や就職差別の現状、その背景にある問題や自治体等における人権の取り組みなどについて講演され「人権問題を解決するにはダイバーシティを尊重したインクルーシブな社会を目指すことが必要だ」と話された。

 記念講演「D&Iの視点からLGBTの採用選考と就労を考える」(星賢人・株式会社JobRainbow代表取締役CEO)では、LGBTQ+についての基礎知識、ご自身の体験、職場環境・採用選考の課題、ALLY(同盟、支援、味方)になる行動などについて講演され「大前提として採用選考は性のあり方で決めるものではなく、適正と能力で判断することが重要で、当事者が働きたい応募したいと思える職場環境の構築が必要」「アウティング(本人の同意のない性のあり方の暴露)は決して行ってはいけない」と話された。

 現場からの報告1「高校現場からの報告」(岩﨑貴子・東京都立高校教員、東京都同和教育研究協議会会長)では、違反選考や差別的な対応を受けた生徒の事例を交えながら、学校現場での取り組み、就職活動上の課題、統一応募用紙の性別欄問題の現状などが報告された。

 現場からの報告2「新規学校卒業者を取り巻く採用・選考の現状と課題」(岩田裕司・東京労働局職業安定部職業対策課長補佐)では、具体的な不適正事例と是正指導概要、公正採用選考の周知推進などが話された。

 最後に、人権啓発推進DVD「ともに歩むために~公正な採用選考の理解と認識をめざして~」が上映された。

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