削除判断を下せる国内人権機関が必要
部落解放第 56回東日本研究集会



部落解放第56回東日本研究集会

 部落解放第56回東日本研究集会が7月4日~5日の2日間にわたって群馬県安中市の磯部ガーデンで開催された。主催は、部落解放同盟関東甲信越地方協議会(関東ブロック)。

 1日目の全体会では、はじめに、片岡明幸・関東甲信越地方協議会議長が主催者挨拶を行なった後、石川一雄さん、早智子さんからアピールがあった。

 続いて、赤井隆史・部落解放同盟中央書記長から「デジタル社会における部落問題~『情プラ法』成立の意義と今後の展望について」と題して記念講演が行なわれた。講演では「プロバイダ責任制限法が情報流通プラットフォーム対処法へと改正され、削除申請などについて対応の迅速化や運用状況の透明化などが盛り込まれた。しかし、あくまでも削除の判断をするのは事業者側となっている。民間の企業や団体が削除の可否を判断するのではなく、その判断を下せる国内人権機関の設置が重要であり、最終的には包括的差別禁止法の制定につなげていく運動が必要だ」と話された。

 続いて、山本志都・弁護士から「部落さらしをゆるさない~『部落探訪』削除裁判(埼玉)の現状と課題」と題して特別報告と原告代表からのアピールが行なわれた。講演では「埼玉の裁判では、埼玉県下で『部落探訪』に掲載された記事全部、県内13市の19の地域に関する記事(提訴後6地域追加)を対象としており、現在までに2回の口頭弁論が行われている。個人が原告になるには非常に高いハードルがあるからこそ、解放同盟のような団体が原告となり差し止めの主体となれるという判断を獲得していかなければならないとともに、差別禁止法や訴訟せずに被害救済が求められるシステムを構築していかなければならない」と話された。

 2日目は、5つの分科会が行なわれた。

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