第10回部落問題東京講座が5月27日・28日・29日の3日間にわたって開催され、89名が受講した。。主催は、(公社)東京部落解放研究所。
本講座は、企業や行政、または地域の中での部落問題研修の講師や「人権担当者」を対象に部落問題に特化した講師養成の性格を有し、部落問題研修の形骸化を防ぐため、東京の部落の「地域性」と「当事者性」を重視する。
開講にあたり、長谷川三郎理事長が主催者挨拶を行ない、司会を押田五郎理事、吉田勉監事が務めた。
第1講は「東京の部落問題入門・ガイダンス」と題して藤本忠義理事が、東京の部落の近代から現代における差別の実態と産業、差別事件の当事者の思いや部落問題学習のあり方を講義された。
第2講は「東京の部落差別事件と差別を許さない社会づくり」と題して近藤登志一常務理事が、都民の部落問題の認知度・結婚差別に対する意識の悪化や東京における部落差別事件を報告し、部落問題教育・啓発・研修の質的・量的拡充と包括的反差別法の整備の必要性を講義された。
第3講 は「私の歩んだ道と東京に生まれて」と題して都連執行委員の北川京子さんが、自らの部落解放運動に携わってきた半生を話された。部落差別は私的な個人の問題ではなく、社会の問題である。共に人権が守られる社会を構築しようと受講者に呼びかけた。
第4講 は「東京の部落史を学ぶ」と題して東日本部落解放研究所事務局長の鳥山洋さんが、弾左衛門役所の下、被差別民が社会の構成員として重要な役割を担っていた事など、東日本における特色を最新の歴史研究に基づき講義された。
その後、芝浦と場のフィールドワーク受講者を対象に事前学習として元と場労働者の高城順さんが特別講義を行った。
第5講は荒川・芝浦と場・練馬の3個所に分かれて現地学習を行った。