2024年度の解放セミナーが5月26日、台東区民会館9階特別会議室・大にて部落解放同盟東京都連合会と東京部落解放研究所の共催で開催され17団体26人が参加した。
はじめに、近藤登志一・都連書記長が「東京都 人権に関する都民意識調査(2023)結果と教育・啓発・研修の課題」と題した講演を行ない、昨年8月に東京都が実施した「人権に関する都民の意識調査」結果の内、部落問題に関する質問への回答を過去調査と比較しながら詳細に分析・解説された。部落問題に対する認知度、被差別部落出身者との結婚に対する態度は悪化していることなどから「正しく知る」ための機会の大幅な増加が必要だと話された。
続いて、松浦利貞・東京部落解放研究所理事が「近世関東における被差別部落の日常を見る―『武州小頭甚右衛門の世界』より―」と題した講演を行ない、被差別部落の甚右衛門家に伝わる古文書から11代甚右衛門の生涯を取りあげ、当時の部落の人たちの生活を明らかにし、当時の日常的な差別、その差別との日常的な闘い、様々な仕事や信仰などについて話され「部落の歴史は差別と屈辱・忍耐の歴史と言うよりは、差別との闘いや生活向上への努力が日常的であった」とまとめた。