2023年度第2回進路保障会議が3月26日、浅草文化観光センターで開催された。東京都(教育庁、産業労働局、生活文化スポーツ局)、東京労働局、東京都同和教育研究協議会、東京都高等学校教職員組合、部落解放同盟東京都連が出席し協議を行った。
東京都各局からの2023年度の取り組み状況の報告が行われ、教育庁からは、都立高校から通報を受けた「早期選考・三局要請文違反事実の疑いに係る通報票」の実態について報告がされた。違反またはその疑いのあった事業所数は60社(昨年度41社)と1.5倍に増え、就職差別・公正採用選考違反について悪化している実態が浮き彫りになった。東京都労働局からは、その違反事例の詳しい内容について事実確認と是正指導の状況・結果が報告された。面接における就職差別につながる不適正質問は60件あり、本籍や出身地(5件)、家族構成(23件)、保護者の職業(12件)や学歴(1件)を聞くもの等が依然として多いことが明らかになった。
都同教からは、面接後の報告書を書かせるだけではなく丁寧に聞き取る必要性や研修機会の保障を要望した。性的マイノリティに対する差別撤廃と当事者の生徒の人権を守るため、統一応募用紙から性別欄を削除することも改めて要求した。「統一応募用紙は国が定めるものなので国の動向を注視していく」という変わらない回答に対して、「実際に対象となる生徒がいる中で指導に悩んでいる教員がいる」「当事者の生徒の立場に立って考えてほしい」と訴えた。また、労働局に対して民間の就職斡旋業者の実態について把握するよう提起した。都連からは、裏アカ調査について面接時に同意を求められた場合は、明らかに違反なので通報報告書の書き方説明の時に事例として挙げるよう提起し、検討するとの回答を得た。(※裏アカとはSNSなどで本アカウントとは別に匿名で作成したアカウントのこと)