主張

東京開催の全高・全青の成功に向けて
多くの仲間の参加を



 部落解放第56回全国高校生集会・第68回全国青年集会が8月31日~9月1日、東京・日本教育会館で開催される。

 東京での開催は、全高としては1999年の第31回から25年ぶり、全青としては1973年の第17回からじつに51年ぶりとなる。高校生・青年ら多くの若者に参加を呼びかけ、集会成功をかちとりたい。

 現在、部落の若者は、新自由主義が台頭し格差・貧困が拡大するなかで、不安や不満が安易に差別・排外へとつながり、公然と差別や暴力の扇動が続発している社会状況におかれており、「東京都の人権に関する都民意識調査」では、部落問題を知らない20代、30代が増えていることからも、東京開催の意義は大きく、都内に広くアピールできる集会にしよう。

 そのためにも、都連各支部からの参加はもちろん、被差別マイノリティの若い世代、同和教育に取り組む若い教師、労働組合の青年部、人権に関心がある学生、研究者らにも幅広く参加を呼びかけ、東京の反差別運動を拡大させていこう。

 集会では、1日目の全体集会における記念講演を河村健夫・弁護士が「『全国部落調査』復刻版出版事件裁判~差別されない権利について~」(仮)と題して行なうほか、6つの分科会が設置され、各地の青年ら若者が主体性を持って運営し、開催にむけて準備をすすめている。

 今後の部落解放運動の発展に若者の結集は不可欠だ。かつての全高集会・青年集会はそれぞれで数千人規模の参加があったが、都連青年部はもとより、全国的に部落解放運動に携わる若年層の減少が共通の課題となっている。年齢や世代、地域をこえ多くの高校生・青年がつながること、さらに連携を深め、取り組みの推進と活性化をめざして合同開催とし、近年、参加者は高校生・青年・引率を含め600人前後となっている。

 しかし、若者の関わりが減少している現状だからこそ、全高・全青が東京で開かれる意義と参加を訴える。各地での活動の交流や学習の深化などはもちろんだが、普段から運動に関わっていなくても、「部落出身」の自覚がなくても、全国にこんなにも仲間がいること、差別撤廃に取り組む同世代が多くいること実際に体感してほしい。それは将来においても大切な体験、つながりになるかもしれない。

 都連青年部は、第17回全青を大きなきっかけとして結成された。青年の掘り起こしを強化するとともに、当時の狭山再審闘争をはじめとする住宅・就職保障などの諸闘争において、自分たちが置かれている現状を把握・共有し、部落青年自身が差別解消のために立ち上がらなければならないと声をあげて訴えた。51年ぶりの開催を成果とする一方で、この間に開催できなかったということも課題として捉えるとともに、そうした青年部結成の経緯と、部落にルーツがある自覚のない若者が増えていることや、そういった若者らとのつながりの模索など今日的課題をふまえつつ集会開催にむけて議論をすすめていく。

 全国から多くの高校生・青年が結集し、実践交流や意見交換をおこない、交流を深め、各地域の運動の発展につながる集会にしたい。大いに語り、大いに絆を深めあおう。多くの人々に結集をよびかけ、東京での全高・全青集会の成功をかちとろう。

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