部落解放同盟中央本部は「今年は全国水平社創立100周年の記念すべき年、水平社の闘いの歴史をしっかりと受け継ぎ、統一と団結の力で部落解放運動を大きく前進させよう」と呼びかけ、来る3月3日「全国水平社創立100周年記念行事」を京都で行なう。
100年という大きな節目の年を契機に解放運動の100年の歩みを踏まえ、今後の解放運動の方向や展望を組織内外で討論、意見交換を進めていこう。
部落解放同盟は綱領で「部落解放同盟は、1922年3月3日に創立された全国水平社の闘いを高い誇りと強い責任をもって引き受ける。『人の世に熱あれ、人間に光あれ』と結んだ水平社宣言は日本ではじめての人権宣言であり、現在に至るまで一貫して輝きを失うことなく継承されている部落解放運動の思想的源泉であることを確認する。
部落解放同盟は、自らの力の源泉が部落解放運動の長い歴史の中で培われてきた思想と理論の力であり、自覚的な大衆団体の力であることを改めて確信する。そして、運動の社会的責任の自覚と倫理性の堅持にもとづいた自主解放の旗を高く掲げながら社会的連帯をつくりあげる。…」と部落解放同盟の原点を明記している。
都連は全国水平社100周年記念として書籍「東京の部落解放運動100年の歩み」を来る3月20日に発刊する。2019年から学習会と先輩たちの聞き取りを始め、2020年9月に「編集委員会」を発足させ、そしてこの度、発刊する運びとなった。
東京の100年の部落解放運動史をまとめる作業を通じて、時代ごとに積み重ねてきた実践と闘いの成果と課題を明らかにし、そして解放運動の方向性や展望を議論し、明らかにしてきた。また各支部の歩みや都連青年部、女性部の歩みも一冊の書籍にまとめた意義は大きい。
また、あらためて、東京の部落の地域と生活に根ざした解放運動によって、都内でバラバラにされていた部落民の団結をつくり出し、この団結こそが都連の大きな財産であること。また、その団結はやがて、共闘関係や反差別・人権ネットワークを生み出し発展してきたことを系統的に実践的事実をもって明らかにしている。
そして、都連運動の展望の柱の一つに「反差別・人権のネットワーク運動の発展をめざす」ことを据えた。今後の解放運動の展望は労働組合、企業、宗教者、市民団体、被差別当事者団体などとの連帯・協働の強化によってきりひらかれることを明確にしている。もちろんその前提は、部落の仲間の支え合いと団結を堅持することである。
この書籍が組織内外の幅広い人々に読まれ、水平社創立100年を多くの人々と共有する機会となること、またこれからの解放運動を担う世代に読み継がれ活用されることを期待したい。そして今後の解放運動の方向性や展望を組織内外で意見交換するための必須の書となることを期待する。
全国水平社創立100年の歴史と誇りを部落差別撤廃を願うすべての人々と分かち合い、「よき日」をめざして、「人間解放」の旗を高く掲げ闘っていこう。