都連は、5月9日、第62回定期大会を台東区民会館で開催する。コロナ禍で会議室の定員が制限される場合は、感染対策を実施したうえで縮小開催とする。
コロナ禍とはいえ、2021年度は部落解放運動にとって極めて重要な年であり大会での積極的な議論を経て決定した1年間の運動と組織の方針を都連一丸となって実現していかなければならない。
現在、重要な局面にある運動課題の第1は、狭山再審闘争である。2006年第三次再審請求から15年経とうとしている。また2009年に開始された三者協議もすでに45回を重ねている。三者協議の過程で弁護団は多くの新証拠を提出した。新証拠は「脅迫状の筆跡は石川さんの筆跡と異なる」や「石川さん宅で発見された被害者のものとされた万年筆は被害者のものではなかった」等を科学的に明らかにし、石川さんを「有罪」と決めつけた「確定判決」は土台から崩壊している。狭山闘争はこれらの新証拠を武器にいよいよ裁判長に「事実調べ・鑑定人尋問」を要請する重要な局面にある。これまで以上に世論を拡大し裁判所を動かす取り組みが求められている。
重要課題の第2は、「全国部落調査」復刻版出版差し止め事件裁判闘争である。2016年4月東京地裁に提訴し5年が過ぎ、遂に9月27日に判決が出される。この裁判は鳥取ループ・示現舎に差別煽動を止めさせる裁判であるとともに、ネット上の悪質な差別情報に司法がどういう判断を下すのか社会的にも重要な裁判である。総力を挙げて勝利していかなければならない。
第3に、部落差別解消推進法の制定を踏まえ、人権の法制度確立と部落解放行政・人権行政推進に向けた取り組みである。行政闘争を強化するとともに、今日の差別の実態を踏まえ、法改正と差別禁止・人権侵害救済法等の人権の法制度確立に向けた闘いを強めていかなければならない。
第4に、組織強化の取り組みである。2022年全国水平社創立100年という節目を機会に、都連運動史を整理するとともに、将来に向けた都連の運動と組織の在り方を都連全支部の参加のもとで協議し深めていく取り組みが重要である。
最後に、今年は都議会議員選挙と衆議院議員選挙がある。法制定闘争や行政闘争にとって議会との連携が重要であることはいうまでもない。被差別マイノリティの立場に立って差別撤廃・人権確立運動を推進する候補を勝利させていかなければならない。
以上の通り、今年度の闘いは極めて重要である。コロナ禍で縮小開催が余儀なくされるかもしれないが、第62回大会を都連総力を挙げて成功させよう。