都連は、第65回定期大会を6月2日、台東区民会館で開催する。
1961年に都連が結成され本年65回大会を迎えるが、部落差別事件は後を絶たない。東京都が今年1月に公表した人権に関する都民の意識調査では、部落差別意識は悪化傾向をしてしており、戸籍謄本等不正取得事件や土地差別調査事件、また、インターネット上の部落差別事件は、抜本的解決にはいたっていない。
このような中、部落差別の完全撤廃に向け、部落解放運動を前進させるため第65回都連定期大会を成功させていかなければならない。
勝利していかなければならない運動課題の第1は、狭山第3次再審闘争である。狭山闘争の勝利なくして部落解放はない。弁護団は2022年8月に万年筆のインクに関する鑑定と11人に鑑定人尋問を求める事実取調請求書を裁判所に提出した。再審決定を裁判所が出すためには事実調べが必須である。新たに就任した家令裁判長にむけ、街頭宣伝、SNS等インターネットでの訴えなどあらゆる手段を講じて、事実調べ実現に向けた世論を拡大していかなければならない。
第2に、「復刻版」裁判上告審の闘いである。東京高裁判決が示した「差別されない権利」を最高裁にも認めさせるとともに、「復刻版」の全面削除を勝ち取っていかなければならない。そして、「部落探訪」など被差別部落の所在地を差別的に暴露する情報の公表は「差別されない権利」を侵害する違法行為であることを司法判決として確定させていくことが重要である。その上で、差別禁止法や人権委員会設置など包括的な人権の法制度確立に向けた闘いを強化しよう。
第3に、反差別社会連帯の構築、強化が重要である。今日の部落解放運動は、労組、企業、宗教者、市民団体、被差別当事者団体などとの反差別・人権のネットワークという横のつながりの中で進められている。この反差別社会連帯が、あらゆる差別を許さない社会をつくっていく原動力となる。反差別社会連帯の取り組みを強めていこう。
そして、第4の課題として、現在、岸田政権が進めている軍事大国化路線を許さない闘いが重要である。安保関連三文書の改定、敵基地攻撃能力をふくめた軍事力増強、防衛費の大幅増額、防衛費増税など戦後の安全保障政策を大きく転換するものである。戦争がない平和な国際関係や貧困がない社会は、差別撤廃、人権が確立された社会づくりと切っても切れない関係にある。平和・人権・民主主義・環境の確立と貧困撲滅は一体であることを踏まえ、軍事大国化を許してはならない。
都連全支部が一丸となって、第65回大会を成功させよう。