都連は、5月7日、第63回定期大会を台東区民会館で開催する。(新型コロナ感染症の感染状況次第で開催方法の変更を余儀なくされる場合もある)
2022年は全国水平社創立100周年という大きな節目の年である。都連でも「東京の部落解放運動100年の歩み」をまとめ3月に書籍として発行した。その中で、「100年を踏まえて、都連運動の展望」を下記の通り示した。
まずは、勝利していかなければならない全国的な運動課題として、「全国部落調査」復刻版出版事件裁判に勝利すること、差別禁止・人権侵害救済法(国内人権機関設置)を制定させること、事実調べー鑑定人尋問を実現させ、狭山第3次再審を切り拓き石川さんの完全無罪判決を勝ち取ることである。都連運動の展望は、現在の闘いの中から生まれてくることはいうまでもなく、組織一丸となって3つの闘いに勝利していこう。
その上で、都連運動がめざす課題として以下の6点を示した。
第1は、差別糾弾闘争の思想を堅持し、法制定闘争、行政闘争、共同闘争(社会連帯)の発展をめざす。全国水平社創立以来堅持されてきた差別糾弾闘争は、当事者運動の生命線であるとともにその理論と思想は時代とともに発展し今日に至っている。今後も原則的闘いとして堅持していく。
第2に、 あらゆる差別を撤廃する都政の確立をめざす。都連では部落解放行政確立を求め行政闘争を展開してきた。今日、ヘイトスピーチなど差別排外主義的な確信犯的差別やインターネット上での差別扇動などが増加している現実を踏まえ、部落解放行政確立の闘いとともに、被差別当事者の生活改善も含めたあらゆる差別を撤廃する都政の確立を求めていく必要がある。
第3に、産業・労働・教育・福祉などの生活課題の解決をめざす。部落解放運動は全国水平社創立以来、部落の生活課題を解決していく取り組みを重視してきた。格差・貧困社会の中で、引き続き相談体制の充実や政策要求書の策定と要求実現に向けた闘いが求められている。
第4に、反差別・人権のネットワーク運動の発展をめざす。現在、都連の部落解放運動は、労組、企業、宗教者、市民団体、被差別当事者団体などとの反差別・人権のネットワークという横のつながりの中で進められている。この反差別・人権ネットワーク運動が、あらゆる差別のない人権が確立された東京をつくっていく原動力となることを踏まえ取り組みを発展させていかなければならない。
第5に、持続可能な都連の運動と組織の構築をめざす。部落完全解放にむけた部落解放運動の課題は山積みだが、それを担う部落解放同盟組織は高齢化などで今後の運動を担うことができるのかという、運動と組織の矛盾ともいえる今日の現実がある。今後、地域に部落解放運動をどう残し発展させるのか、どう差別撤廃運動を位置付かせるのかを都連、支部全体で協議を深めていかなければならない。
第6に、「9条改憲」を許さず、戦争、差別、格差と貧困、核と原発を許さない社会変革をめざす。戦争がない平和な国際関係や貧困がない社会は、差別撤廃、人権が確立された社会づくりと切っても切れない関係にある。平和・人権・民主主義・環境の確立と貧困撲滅は一体であることを踏まえ、社会変革を多くの市民と連帯し勝ち取っていくことも部落解放運動の大きな課題である。
「100年」という大きな節目の年に都連運動の展望を現実のものとしていくために、第63回大会を都連総力を挙げて成功させよう。