都連は5月20日、13時から第59回定期大会を台東区民会館で開催する。
差別や人権侵害は悪質化、増加傾向
今年の大会は差別や生活不安の強まりという状況の中で開催される。現在、非正規雇用率37・3%(2017年)、非正規雇用者の内、年収200万未満が55・7%を占めている。今日必要な課題は、格差・貧困社会からの脱却である。そして、生活不安や安倍政権の国家主義的政策を背景に、差別や人権侵害は悪質化、増加傾向にある。法務省が発表している2017年人権侵犯事件の状況を見ると、インターネット上の人権侵害事件は、対前年比16・1%増加し5年連続して過去最高件数になっている。差別待遇事案も対前年比14・9%増加している。
差別糾弾の前進と狭山再審を
このような状況の中で、2018年都連運動の重点課題は、第1に、部落差別解消推進法の具体化、狭山第3次再審、「全国部落調査」復刻版出版差し止め裁判など全国的な闘争が正念場を迎えていることである。部落差別解消推進法具体化については、特に「実態調査の実施」が焦点になろうとしている。また、狭山闘争においても裁判長が交代し、事実調べ、再審開始にむけた正念場を迎えている。さらに「全国部落調査」復刻版出版差し止め裁判も証人尋問の段階に入り闘いをより強化していくことが求められている。
部落差別をなくす人権条例を
第2に、小池都知事がオリンピック・パラリンピック開催を契機に、今年中に「人権条例」を制定すると表明したことである。既に策定されている東京都人権施策推進指針がベースになると思われるが、差別の現実と被差別当事者の立場を踏まえ今後の反差別運動に役立つものにしていかなければならない。また、部落差別撤廃という課題を条例に明記させ、解放行政の飛躍的な発展を勝ち取っていかなければならない。そして、差別撤廃、人権確立にむけた政策の確立にむけ、幅広い反差別・人権ネットワーク運動を強化していく必要がある。
第3に、これら運動課題を担う組織の強化、発展に向け、特に若い世代とのつながりを強めていきながら次世代の運動を担う人材の育成が求められている。同盟員の子や孫とのつながり、また、他府県から東京にきている多くの部落出身者とのつながりの構築に向けた方針の確立が重要である。
第4に、安倍政権は「森友学園を巡る決裁文書改ざん問題」などで市民から信頼が失われている状況だが、自衛隊明記を含む改憲発議を年内におこなうという方針を撤回したわけではない。改憲は日本の針路を決める極めて重要な課題であり、平和主義、人権主義を破壊する憲法改悪を許してはならない。
最後に、来年4月には統一地方選挙が実施される。最近、差別主義的区議もみられ、地域での活動に支障をきたす場面もでている。都知事選挙の時に在特会元会長が11万票獲得したことを教訓に、差別・排外主義的勢力の政治勢力化は決して許してはならず、選挙闘争を強化していく必要がある。
2018年は、重要な闘いが山積している。各支部、全同盟員が一丸となって闘いを推進していかなければならない。各支部から選出された代議員の活発な論議で、2018年を勝利の年にするために、第59回大会を成功させよう。