狭山事件の再審を求める市民集会が5月24日13時から日比谷野外音楽堂で開催される。コロナ禍を考慮し規模は1300人。また集会後にはデモ行進を予定している。都連、各支部は全力で取り組みましょう。
2008年に就任した門野裁判長は三者協議を開始し、検察に証拠開示を勧告した。三者協議は今日まで49回を数えている。検察には現時点で190点以上の隠し持っていた証拠を開示させ、弁護団はその証拠をもとに今年2月の段階で246点にのぼる新証拠を提出した。
弁護団が提出した新証拠は、「状況証拠」「秘密の暴露」「自白」など石川さんを有罪とした確定判決の根拠を根底から崩している。特に、「脅迫状の筆跡と石川さんの筆跡は異なる」とした福江鑑定は、 石川さんが脅迫状を書いていないことを明らかにした。また、被害者の万年筆が石川さん宅から発見され有罪の根拠となりましたが、「発見された万年筆と被害者の万年筆のインクの成分が根本的に異なる」とした下山鑑定は、 石川さん宅で発見された万年筆は被害者のものではないことを示した。これらの新証拠は、誰がおこなっても同じ結果が出る科学的根拠に基づいている。
弁護団は、現在、新証拠に対する検察官意見書への反論を作成中で、今後石川さんの自白に関する新証拠と合わせて裁判所に提出し、それらを踏まえて鑑定人尋問を請求する見通しである。第3次再審闘争は、裁判所による鑑定人尋問を実現し、再審を開始させる重要な局面にはいる。裁判所を動かす闘いをこの東京の地で強めていきましょう。
事実調べ―鑑定人尋問実現に向けた取り組みを強めよう
狭山事件では有罪判決から48年、再審請求から45年、これまで一度も鑑定人尋問がおこなわれていない。足利事件ではDNA鑑定の再鑑定がおこなわれ菅家さんは無罪となった。布川事件でも鑑定人尋問がおこなわれ再審が開始された。裁判官による事実調べ―鑑定人尋問の実現が再審開始のカギとなる。何としても実現させなければならない。
裁判所のある東京の地で様々な媒体を活用し、創意工夫をしながら事実調べ―鑑定人尋問実現に向けた世論を拡大していきましょう。
狭山東京実行委員会は、2月28日、狭山事件の再審を求める東京集会を成功させ、事実調べ―鑑定人尋問実現に向けた具体的な取り組み方針を参加者全員で確認した。
取り組みの第1は、裁判所が世論を無視できないよう、冤罪を許さず事実調べ(鑑定人尋問)を求める要請ハガキ運動の日常的展開である。まず、5・24中央集会を集約点に1500枚の要請ハガキを東京高裁大野裁判長に集中させる。
第2に、ホームページやSNSを通じて、石川さんは無実であること、合理的な疑いのある確定判決であり再審が必要なこと、裁判所による事実調べ―鑑定人尋問の実施、冤罪の撲滅を幅広く訴えていく。インターネットを活用し、鑑定人尋問を求める世論を拡大していくとともに、さらなる要請ハガキの拡大に結びつけていく。
第3に、要請ハガキ運動やSNS等での訴え等幅広い世論の構築に向け、地域・職場での学習会、高裁前アピール行動、狭山現地調査等の取り組みを強めていく。
狭山東京実行委員会と連携し要請ハガキ運動など都連も全力で取り組みを進め、部落差別と冤罪を許さない社会的世論をつくり、鑑定人尋問実現―再審開始、無罪判決をかちとりましょう。