二度と起こさないために語り継ぐ
福田村事件100年犠牲者追悼式



関東大震災福田村事件100年犠牲者追悼式

 9月6日、「関東大震災福田村事件100年犠牲者追悼式」が千葉県野田市三つ堀にある追悼慰霊碑前で行われ、全国から80人、部落解放同盟関東ブロックから17人が参加した。主催は福田村事件追悼慰霊碑保存会。

 福田村事件は関東大震災の直後の福田村(現野田市)で、香川県から来ていた売薬をなりわいとする行商団一行15人が消防組(当時)を中心に組織された自警団に襲われ幼児や妊婦を含む9人が殺され、遺体は近くの利根川に投げ込まれた事件である。

 主催団体代表の市川正廣さんは当日のメッセージで「被害にあった行商人の一行は被差別部落の方々でした。私たちはこの事件が引き起こされた背景には、民族差別、部落差別、職業差別などが交差した、いわゆる複合差別があると考えています」と訴えた。

 当日、追悼式の後、野田市南コミュニティーセンターで交流会が行われた。交流会には香川県から解放同盟香川県連の役員や遺族、行政関係者、地元の千葉県、野田市、柏市の行政関係者や解放同盟千葉県連の役員、関東ブロック関係者、「慰霊碑保存会」の方々が参加した。

 香川県連の役員はインターネット上で行商団の出身地がアウティングされ地元では大変なことになっており対応に追われていると語った。福田村事件を二度と起こさないために語り継いでいく取り組みは同時に今も起きている差別事件との闘いとともに取り組む課題である。

(部落解放同盟関東甲信越地方協議会副議長・藤本忠義)

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