2022年3月3日、全国水平社創立から100周年を迎えます。都連はこの歴史的な節目にあたって、「東京の部落解放運動100年の歩み」を書籍としてまとめました。
書籍の内容は、まず、第1章として、「東京水平社」研究の新たな視点からの東京水平社の実像と運動史を掲載しました。東京水平社が地域に根差した様々な運動を展開し、地域の人たちの生活や仕事を支えたことを明らかにしています。
第2章は、1960年代以降の都連運動史を「展望」も含めて7区分にわけて整理しました。
1.戦後~1960年代
都連の結成と東京での解放運動の始まり
2.1970年代
都連運動の大衆化と融和行政・狭山差別判決・部落地名総鑑糾弾の闘い
3.1980年代
「地対協」路線との闘いと反差別文化運動の活発化
4.1990年代
同和行政の転換と糾弾闘争の展開
5.2000年代
「特別措置法」終了と解放運動の新たな展開
6.2010年代
インターネット上の差別の深刻化と「部落差別解消推進法」制定
7.100年を踏まえて、都連運動の展望
東京の特徴の一つは、全国から部落出身者が東京に来ていることです。部落解放同盟に結集した人たちの中にも地方出身者の人が多く、それぞれ生まれ育った故郷が東京以外にあります。一方、部落産業である皮革産業を中心とする東京の部落出身者も運動に立ち上がりました。少年期、青年期に受けた部落差別の経験がそれぞれ異なっている中で、解放運動を通して地域と関係を築き差別と闘う中で仲間意識と団結を創造してきた歴史が描かれています。
また、第3章、第4章では各支部(10支部)の歩みや都連女性部、青年部の歩みをまとめました。解放運動の基礎は地域と支部にあり、大衆運動が展開される解放運動の現場からの解放運動史をまとめたことに大きな価値があります。都連女性部と青年部の歩みも女性や青年一人一人の解放運動への熱い思いが盛り込まれており、次世代に伝えていきたい大切な内容になっています。
さらに「100年を踏まえて、都連運動の展望」の中で、全国水平社以来の部落の生活課題を解決していく取組みを引き続き重視し、産業・労働・教育・福祉などの生活課題の解決をめざしていくことと反差別・人権のネットワーク運動の発展をめざしていくなどの方向性をまとめています。
本冊子は、大勢の仲間が執筆しました。都連・各支部と女性部、青年部の仲間が主体的に編集に加わりました。まさに100年の歴史をみんなで掘り起こす活動となりました。また、今回の冊子は、都連青年部、女性部、各支部の解放運動史が地域や解放運動の現場からまとめたことに大きな意義があります。次世代に伝え続けたい内容になっています。是非、多くの方々に読んでいただきたいと思います。
購読申し込みは㈲解放書店までご連絡ください。
「東京の部落解放運動100年の歩み」
発行日 2022年3月20日(予定)
定価 3300円(税込)
申込 解放書店(電話・03・5603・1861、FAX・03・5603・1862)