私立学校での通報システム普及などを要請
2022年度 第1回進路保障会議



 2022年度の第1回進路保障会議が、7月19日、台東区民会館で開催された。都教育庁、産業労働局、生活文化スポーツ局私学部、東京労働局、東京都同和教育研究協議会、東京都高等学校教職員組合、部落解放同盟東京都連合会が出席し協議を行なった。

 各局からの報告では、教育庁からは、「2021年度都立高等学校からの『早期選考・三局要請文違反事実の疑いに係る通報票』の実態について」、違反報告件数は全日制32件、定時制11件、事業所数は39社で、「面接時に家族構成や出身地、保護者・家族の職業を聞く」などの違反事例が多いことが報告された。

 生活文化スポーツ局からは、私立中学校・高等学校・専修学校・各種学校に対する進路保障に関する啓発・研修等の実績が報告された。

 産業労働局からは、企業向け啓発冊子「採用と人権」、求職者向けの「これだけは知っておきたい!働くときの知識(高校生版)」の配布などの取り組みが報告された。

 東京労働局からは、新規高校卒業者の「採用選考等に係る不適正項目別事実確認状況」が、前回3月の会議で事実確認中だった事案も含めて報告された。通報件数は80件、事業所実数は39社で、昨年より若干減少したものの「就職差別に繋がる面接時の質問・調査」や「統一応募用紙以外の書類の提出」など、公正採用選考違反の事例が依然として多い実態が浮き彫りになった。

 都同教からは、研修期間中に不当に解雇された外国籍生徒の事例を報告。ハローワークは「法的には問題ない」と学校に報告してきたが、人権侵害といえる会社の対応がある。「人」が大切にされる進路保障を実現するために行政も同じ方向性で取り組んでほしいと提起した。また、就職あっせん会社が高等学校に入ってきているが統一応募用紙も通報システムも知らない。実態把握と啓発・研修をしてほしいと要望した。

 都連からは、統一応募用紙の学習の重要性と私立学校での通報システムの普及について要請した。近隣県の生徒が東京都の会社の採用面接を受けた違反事例があった場合など、広域での通報システムが確立されているかも再確認した。

 また、統一応募用紙の性別欄の削除に向けて、現場ではどのように指導しているかを質し、都同教からも、保護者欄が削除されるまで斜線を引いて対応してきた経緯も踏まえ、都教委として前向きな見解を出してほしいと要請した。

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