ネット上の部落差別と闘うをテーマに
第36回人権啓発研究集会



 第36回人権啓発研究集会が2月3日~22日の視聴期間を設け、録画視聴形式で開催され、全体会と3つの分科会が行なわれた。主催は第36回人権啓発研究集会実行委員会。本来は和歌山県民文化会館などを中心にした会場参加と録画視聴を併用して開催する予定だったが、オミクロン株の感染急拡大を受け、録画視聴のみの開催となった。

 全体会では、開会行事として主催者挨拶と来賓挨拶があった後、「インターネット上における部落差別と闘う」をテーマに7つのリレー報告が行なわれた。(①「『部落差別解消推進法』制定を受けた県条例の取り組み」部落解放和歌山県連合会・宮本書記長、②「兵庫県内の部落差別動画削除の取り組み」部落解放同盟兵庫県連合会・橋本書記長、③「鳥取ループによる差別講演動画配信事件」部落解放同盟鳥取県連合会・坂根副委員長、④「Yahoo!オークションでの壬申戸籍販売事件等」NPO法人人権センターながの・高橋事務局長、⑤「部落差別解消推進法施行5年の取り組みと今後の課題」自由民主党・宮崎衆議院議員、⑥「水平社100年とネット上における部落差別との闘い」部落解放同盟中央本部・西島書記長、⑦「なぜ、包括的差別禁止法が必要なのか?」部落解放・人権研究所・谷川代表理事・「差別禁止法研究会」)。

 その内、①「『部落差別解消推進法』制定を受けた県条例の取り組み」では、「推進法制定を受け、2020年3月24日に『和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例』が制定・施行された。県条例は『①基本理念』『②部落差別の禁止(指導・説示・勧告)』『③県、県民、事業者の責務を規定』の3部の内容になっているが、私たちが求めていた県条例とはかけ離れている部分もある。和歌山県内の18市町村で実施されているモニタリング事業の明記がないことや人権三法との位置づけが希薄になっている点などが挙げられる。モニタリングに関しては、プロバイダへの指導権限強化などのため、2020年12月24日に県条例の一部改正・施行が行なわれた。今後の課題として、組織内で県条例制定の意義と内容の精査に取り組んでいかなければならない。また、国に新たな人権の法制度確立を求めていくとともに、県内すべての市町村で部落差別解消・人権条例が策定されるよう全国の仲間とともに運動をすすめていきたい」と話された。

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