近代社会を見つめ水平社の歴史的意義について講演
部落解放第54回東日本研究集会



部落解放第54回東日本研究集会

 部落解放第54回東日本研究集会が7月13日Gメッセ群馬(群馬コンベンションセンター)での対面形式とオンライン配信の併用で開催された。主催は、部落解放同盟関東甲信越地方協議会(関東ブロック)。

 午前の部では、はじめに片岡明幸・関東甲信越地方協議会議長が主催者挨拶を行ない「今年は全国水平社が創立されて100年になるが、日本社会には部落差別がまだ存在している。全国水平社の原点を改めて確認し、運動を継続していかなければならない」と話された。

 続いて、黒川みどり・静岡大学教授が「全国水平社創立100年~近代社会を見つめ水平社の歴史的意義を問う」と題して記念講演が行なわれた。

 記念講演では、部落問題に関わる歴史を知り水平社運動の意義を問い直すとして、1871年の「解放令」後の近代から現在までを中心に話された。「水平社宣言の『我々が穢多であることを誇り得る時が来たのだ』という文言は、これまで受けた差別を誇りに転化していくという思いが運動を立ち上げていく精神の原点だと感じる。水平社の差別糾弾闘争で、我々は同じ『人間』であると訴えるが、糾弾される側の差別意識の裏返しである『特殊』『恐い』という意識が壁として立ちはだかり、1925年の世良田村事件につながる」ことなどが話され、「差別が不可視化されているなかで部落問題を『知らない・気にしない・不思議』という若者が増えている。しかし、いざ結婚となれば今の調査でも半数がこだわるという現実がある。部落差別が存在していることを知らない・見えないことにしていることが差別であり、解消に向けた対策をしていかなければならない」とまとめた。

 午後の部では、第1と第2の二つの分科会が行なわれた。

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