(公社)東京部落解放研究所は、第8回部落問題東京講座を5月30・31日の2日間にわたって開催し、93名が受講した。
部落問題東京講座は、企業、行政、教育関係者、宗教者、地域などで部落問題の研修を担当している講師や「人権担当者」向けに、部落問題に特化した「講座」として開設された。
今年は、コロナ禍の為オンライン開催となり、当事者性を重視したフィールドワークやグループ討論等を行なうことができなかったが、その中でも受講者の理解・共感が得られるよう各講師が工夫し4つの講座を行なった。
第1講は、「東京の部落と解放運動」と題して近藤常任理事が、東京の部落と解放運動の特徴、現在の部落差別の特徴、部落差別撤廃の課題等をポイントに講演を行なった。
第2講「差別事件と差別を許さない社会づくり」では、大西都連副委員長が講師を務め、「全国部落調査」復刻版出版事件と裁判闘争の概要と課題、また、栃木県行政書士による戸籍謄本等不正取得事件を通して、身元調査および戸籍の不正取得の根絶に向けた課題について講義した。
第3講「東京の部落史に学ぶ」は、東日本部落解放研究所の鳥山事務局長が、①部落史の基礎、②東日本の被差別部落の特色、③江戸・東京の部落史、④近代の部落史の4つに整理し刷新された部落史について講演を行なった。
第4講「私の歩んだ道と東京での生活」では、都連青年部長の川口さんが語り手となり、高校までの故郷での部落問題との出会い、そして、東京に出てきてから東京で暮らす部落青年の居場所づくりの必要性、当事者として声をあげることの重要性について語られた。