復刻版裁判を課題に
東京部落解放研究所 第10回総会



 公益社団法人東京部落解放研究所第10回総会が5月31日、オンラインで行なわれた。総会冒頭、議長に選出された長谷川三郎理事長から総会が成立している旨報告があり、全体で確認された。

 総会では近藤登志一常任理事から、2020年度事業報告、2020年度決算報告が行なわれた。吉田勉監事から、「適正に処理されていることを認める」とする監査報告が行なわれた。これらの議案について全員意義なく承認された。

 つづいて「『全国部落調査』復刻版出版事件裁判~経過と課題~」と題した記念講演が部落解放同盟中央本部事務局員である川口弘志さんより行なわれた。はじめに、事件の概要、裁判の経緯が説明された。裁判では、⑴「全国部落調査」復刻版の出版禁止、⑵インターネット上での公開の禁止・削除(一切の方法での公開禁止(自ら又は代理人もしくは第三者を介しての行為も禁止))⑶原告1人名あたり110万円の損害賠償請求が求められている。裁判の意義として、①部落差別を許さない闘い②法制定を求める闘い③部落解放運動の成果を守る闘いが挙げらる。終わりに、9月27日に出される判決に向けて、①法務省や地方法務局にたいして削除要請②モニタリング活動の強化③インターネット関連団体への要請④差別の禁止・人権侵害救済の法律⑤裁判闘争支援の拡大、以上5点の行動提起が示された。

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